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山椒の実

Category: Books

2040年の新世界: 3Dプリンタの衝撃 (ホッド リプソン, メルバ カーマン)

3Dプリンタが今後どのように生活を変えていくのかを語った本。使い方ガイドとかそういう話ではなくて、こういう技術があってこう発展しているから将来はこういうことができるようになる、という感じの書き方。

中身を読んで、今後起きる革命について思いを馳せた私は、半分ほど読んだところで部屋を歩き回りながら物思いに沈み、そして安い3Dプリンタを発注するのだった。まあ発注したものは入荷が遅れたため、まだ来てないんだけどね。でも発注後はその日に備えて123D Designでモデリングの練習に明け暮れる日々。これがなかなか難しい。結局残り半分を読まずに図書館に返却した。3Dプリンタで遊んでああだこうだという話に関してはまた別の機会に語ることがあろう。その過程で少しはソフトウェアを書いたりすることもあるであろう。

真相 マイク・タイソン自伝 (マイク・タイソン)

あのマイク・タイソンの自伝。それはハチャメチャですね。すごい本だった。とにかくスゴイ。この本はみんな読むべき。人生のバイブル? にしてもいいくらいだった。私は図書館で借りたんだけど、これ買って繰り返し読んだほうがいい気がする。

臆病さを隠すために闘争心を植え付けられたボクシングの天才。師の死とともに糸の切れたタコのように制御不能な凄まじい人生を生きる。内面の成長が途中で止まってしまったまま手に入れた名声。稼いだカネを余すところなく搾取され続けて…ニーチェとか読みながらボクシングやってた十代の青年がですよ。

死にたくなったら電話して (李龍徳)

奇妙な若者が破滅に向かって進んで行く本。なんかスゴイね。スゴイすぎる。こういう小説もあるんだな、と思った。文章力の高さは感じさせる。セリフが多い。というかほとんどセリフだけしかない。しかし買った車はどうなったんだこれ。そのへんはあまり意味がわからなかった。そこここに俺には読めない何かがあるんだろうな。

いい読書をしたな、という感想も思うけど、もう一度読むかというと読まないだろうね。爽快感はないし、読後の人生に何かが残るかっていうと、何も残らない。ただいい読書をしたという感触だけが残っている。

東京スタジアムがあった (澤宮 優)

かつて南千住にあった東京スタジアム、そしてオリオンズ、オーナーの永田雅一の思い出を語った本。オリオンズは今の千葉ロッテマリーンズですね。映画人が私財を投じて下町に作った夢のスタジアムを舞台にしたあれやこれや。

最近の国立競技場の騒動とかを見ても、スタジアムという巨大建造物はロマンですからね。それをポケットマネーで作っちゃうなんて、マジで男の中の男ですな。それだけの人だからまあ、いろいろな話はある。ただパ・リーグがまともに人気を得たのはここ数年の出来事ですから、球場はたまにしか満員にはならなかったみたい。割とモダンな球場で、記述を見ると今あっても良い球場と評価を受けたかもしれないと思う。

しんがり 山一證券 最後の12人 (清武 英利)

巨人でコップの中の嵐を起こしてクビになった、あの清武さんが、山一證券の自主廃業と残務処理をした人たちを描いた本。さすがジャーナリスト、こういう本を書くこともできるんですね。

山一證券の廃業はまあ私にとっては歴史上の物語です。1997年に廃業ですから、まだ株式投資が私の身近に来るずっと前の話です。私はネットの時代になってから始めたクチですから。最初はDLJ Direct SFGだったかな。いったん足を洗ったあと、すぐに楽天証券になっちゃったけどね。楽天証券になってからはほとんど取引をしていなかった。口座残ってるのかな?? その後、最近になって現物株を再開して、あの証券会社とあの証券会社を併用する現在の体制に。

青函トンネルから英仏海峡トンネルへ―地質・気質・文化の壁をこえて (持田 豊)

国鉄で青函トンネルを掘り、英仏海峡トンネルのアドバイザーも務めたトンネルの第一人者、持田さんが書いたトンネルの本。あまりに淡々と技術的な話を次々に書いていくのだが、それだけでも迫力はあるね。読ませる文章ではないが、中身が純粋に事実の積み重ねだからね。真実は伝説を超える。

前半は就職以来ずっと関わっていた青函トンネルの話。オヤジがお手製で作った潜水艦を使って調査する話とか、水平ボーリングの話とか、いろいろある。技術的な要素が次から次へと語られていくのは爽快感も感じる。値段が3倍になるセメントの話なんかはとても実感がこもっていた。まあ語り口はあまりにも淡々としすぎていて主張という部分に欠けるんだけどね。正直な感想を言えば…「無茶したね」という感じ。

賭博者 (ドストエフスキー)

文豪・ドストエフスキーの異色作。本人の体験を元に、バクチに狂った人々を描く。書いた経緯がいいよね。バクチ旅行ですってしまい、出版社に泣きついて速攻で書いた(口述筆記)とのこと。さすが俺達のドストエフスキーだよ。そう来なくちゃね。

バクチの描写が良かった。バクチの場面だけは生き生きとしている。それ以外の場面はまあ、普通にドストエフスキーだな。周囲の人物の怪しさもいい。どの人物を取ってみても、まんべんなくあやしすぎる。最後まで何一つ明らかになってないし(笑)。大した伏線が張り巡らされているわけじゃないし、物語とかそんなこんなには意識を向けることなく、賭けまくる。そしてラストもいいよね。やっぱそうでなきゃドストエフスキーじゃないよ。さすがだぜドストエフスキー。俺達のドストエフスキー。

賭けマージャンはいくらから捕まるのか? 賭博罪から見えてくる法の考え方と問題点 (津田 岳宏)

この直球タイトル。序盤でタイトルに対する回答がある。実際は検挙されることはほとんどないが、高レートでやると捕まることもある。私の場合はセットで低レート(テンゴのゴットーとか)でしかやったことがないので、捕まるケースではなかったようだな。まあやってた頃は捕まる危険性なんて全く感じていなかった。リャンピン東風戦で捕まった蛭子さんも略式起訴で罰金10万円という処分だったらしい。そもそも悪事じゃないんだよ。

突変 (森岡浩之)

突然、異世界に移ってしまうSF話。これがそういう説明では言い切れないほど書き込み量もあって、本としては分厚い。しかし読みやすくて内容もある。ストーリーの流れ方もスムーズかつドキドキ感を忘れさせない。これには思わず一気読みですよ。非常に良い読書体験だった。

まあ突然と言っても世界で見ればちょくちょく起きていて、人々の間にもある程度の備えがあるわけ。言わば裏側と入れ替わる形なんで、過去に裏返った地域の情報が出回っていたりする。日本でも、久米島が裏返り、次に大阪が丸ごと裏返ったりしている。その中で関東の狭い町内だけが裏返ってしまった…そこでどうする、という感じになる。物語としては表の日常や人生があって、徐々に裏返る設定が明らかにされつつ、それは起き、そして…

諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉 (為末大)

ハードラーとして活躍した為末の本。100mを諦めてハードルに転向してトップアスリートになった経験をもとに、人生とは取捨選択であると説いた。頑固になるのではなく、自分に向いてることをする勇気を持てと。100mは彼にとって夢で、通用しないと悟って諦めたわけだ。で、高校時代の監督の助言を元にハードルをやってみたら、やっぱそっちのほうが向いていた。諦めずにやってたらやがて潰れて、何者にもなれなかったろう、という実感があるんだろうね。