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山椒の実

Category: Classic

小僧の神様 他十篇 (志賀直哉)

古典的文学作品を読んでみようと。この本は短編集ということもあって読みやすいし、名の知れた代表作が複数入っているので、古典的名作の入り口にオススメかな。現代人が読んでも文章がキレイで内容も深みがある。 異常なくらいの文章力の高さと、家族内の関係からの影響の強さ。あるいはスケールの小ささとのアンバランス? が凄いと思ったねえ。 『流行感冒』は現代に通じるテーマだが、いくつかのファインプレーがあって、いい話に

現代語古事記 決定版 (竹田 恒泰)

大和の成り立ちが書いてあるという古事記。神話の解説をしつつ、(当時の)現代の天皇の御世に至るまでを記す。まあ悪いけどロクでもない記述なんだろうな、という印象を持っていたけど、思った通りだった。「史記」や「ガリア戦記」を思うと、この書物の価値は低いと思う。 なんでかというと、単に神々と天皇家の婚姻や内輪喧嘩の記録で、名前が大量に出てくるけど実際名前を記録するだけのための記述にとどまっている。事蹟が記述

月は無慈悲な夜の女王 (ロバート・A・ハインライン)

月が地球から独立して自由を勝ち取るまでを描いた名作SF。長い。 武器らしい武器を持たずにどうやって自由を勝ち取るか。いろいろあってまあ、当然勝つんだけど、いろいろある。名作だけあって凄く良く練られているし、徐々に明かされていく設定なんかも非常にそれっぽいリアルがある。これぞサイエンス・フィクション、と呼べるね。名作と呼ばれるのもうなずける。 もっと若いころに読んでおくべきだったな。この年齢になると、こ

100万回生きたねこ (佐野洋子)

日本を代表する絵本。ねこの話で、意味がわからなくても感動するという不思議な絵本。 これいろいろな考えを持つ人がいるんだろうけど、結局「生きてない奴は死ねもしねえんだよ!」ってことなんじゃないかと思った。こいつやっと生きることができた、だから死ねたんだと。 このねこ、100万回飼われて…まあ100万は比喩だと思いますけど…全部の飼い主を嫌いだったんですね。でも飼い主は全部このねこを好きだったんです。で、

賭博者 (ドストエフスキー)

文豪・ドストエフスキーの異色作。本人の体験を元に、バクチに狂った人々を描く。書いた経緯がいいよね。バクチ旅行ですってしまい、出版社に泣きついて速攻で書いた(口述筆記)とのこと。さすが俺達のドストエフスキーだよ。そう来なくちゃね。 バクチの描写が良かった。バクチの場面だけは生き生きとしている。それ以外の場面はまあ、普通にドストエフスキーだな。周囲の人物の怪しさもいい。どの人物を取ってみても、まんべんな

オズの魔法使い(ライマン・フランク・ボーム)

題名は非常に有名だが読んだことのなかった名作。しかしオズがあんな体たらくとはね。がっかりだ。作者はなんでこいつをタイトルにしたんだろう。 →オズの魔法使い 登場人物 採点 ひとこと オズ 4.0 あまりにも無力! 使えない奴。しかも逃亡!? ドロシー 5.0 魔女を倒したのは幸運にすぎないが、幸運を呼び寄せた トト 5.0 しゃべれないというハンデを克服できなかった かかし(MoM) 6.5 無敵! あまりにも無敵! ブリキ 5.5 木こりとしては標準的な活