いわゆる「万引きGメン」のベテランである著者が、老人による万引きの実態について記す。救いのないエピソードも多い。というかほとんど、どのページにも救いなんてない。たまにあることはあるんだけどね。
最後の方の、人生にどうしようもなくなって妻の墓前で自殺することを決めた(という遺書を隠し持っていたことが後で分かる)老人が、手ぶらで墓参りに行けないからとスーパーで花や線香を万引きして、著者に捕まる。そして著者がちょっと目を離したすきに服毒自殺してしまう…という話なんかは、究極の救いのない話。死に場所と決めた亡き妻の墓…そこにすらたどり着けてないんだもん。最後の最後で泥棒になって…名誉なき死…安らかさとは無縁。絶望しかないよ。