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山椒の実

Category: Age

うちの父が運転をやめません (垣谷美雨)

タイトル通り、田舎の老親が運転をやめてくれないという、小説。社会派?? っていう書きっぷりでもないけど、社会問題ではあるよね。自動運転で解決する、というわけにもいかない時代。まだ。

登場人物それぞれの親子関係を軸に、迫られる選択や希望を描いていく。どうしても離れられない自動車も、人々の断絶を促す存在だったのだった。ではどうする? 答えの見えない問いに、迷える中年男性が下した決断はいかに?

住宅については、確かに都会の住宅は狭い、と思う。長い期間を東京都・川崎市・横浜市で過ごしてきた自分もそう感じている。一人当たり、もうちょっと広い空間があってもいいと思う。古民家はそんなに住み心地が良いものではないんだけど。まあ、そのへんは手入れによるかな。うちの実家とかは…(略)

親の家を売る。 (永峰英太郎)

相続した家を売った自分の体験をもとに、割と網羅的に必要事項を丁寧に説明した本。まあ、参考にはなるね。なるけどね。

幸か不幸か、自分も相続の処理をしたことがありますけど、なんだかんだで、カネを残すのが一番っすよね。面倒がない。

しかしですね、上場もしてない/電子化されてない変な端株だの、騙されて買った山林(しかも登記の処理を複数代に渡ってしていない!)だの…もう無視するしかないよ、こんなの。義務化は知ってるけどさ、何人の先祖の生まれてから死ぬまでの戸籍謄本を集めなきゃいけないんだっての。2人でも大変だったんだからさ。郵便局に通っては定額小為替を買ったり送ったり、コンビニコピー、封筒に詰めて、返ってきた謄本を読み解いて次の送り先を調べて…

老人喰い 高齢者を狙う詐欺の正体 (鈴木大介)

振り込め詐欺グループの実態を記したもの。金持ちの老人を騙して小金を受け取る。それは現代の義賊か、それとも…?

かなり高度に組織化され、分業も進んでいて捕まりやすい部門(受け子)を何重か噛ませることによってプレイヤーと呼ばれる騙し屋の部門は捕まりにくくなっているらしい。そしてこの本の時点でオレオレとも言わないし振り込みさせるってワケでもなく現金取引らしい。ターゲットをかなり詳細に調べた名簿を使う&自前で名簿の情報を充実させる調査を入れたり。

万引き老人 (伊東ゆう)

いわゆる「万引きGメン」のベテランである著者が、老人による万引きの実態について記す。救いのないエピソードも多い。というかほとんど、どのページにも救いなんてない。たまにあることはあるんだけどね。

最後の方の、人生にどうしようもなくなって妻の墓前で自殺することを決めた(という遺書を隠し持っていたことが後で分かる)老人が、手ぶらで墓参りに行けないからとスーパーで花や線香を万引きして、著者に捕まる。そして著者がちょっと目を離したすきに服毒自殺してしまう…という話なんかは、究極の救いのない話。死に場所と決めた亡き妻の墓…そこにすらたどり着けてないんだもん。最後の最後で泥棒になって…名誉なき死…安らかさとは無縁。絶望しかないよ。