ティーンエイジャーのダラダラした独白が続くのでウンザリする人も多いだろう。しかも親に隠れて不登校とは。ゴミの捨て方もなってない始末。そんな開幕からの怒涛の展開に度肝を抜かれる…と言ってもマンション内に限定された、コップの中の嵐なんだけど。なかなか良かった。割と、意外に、肝も座ってる感じで。
もう1つの短編(you can keep it)はちょっと恥ずかしい話だったなあ。なんというか。言い方だけど、すごいイヤな感じだった。だってそんなのって、どうなんだ。大学時代の先輩がこんな感じだったのを覚えている。最終的には、慕われていたと思う。憎まれるということを避けるにはいいのかもしれないけど、イヤな感じはする。私も一度コンビニの菓子パンを奢ってもらったことがあるのは覚えている。普通にタカっていると表現できそうな人もいた。そういう意味ではこの作品も、心に残る文芸の物語と言えるだろう。