ショッピングモール大量殺人事件の、その後を描く。大量の死者と怪我人、犯人は全員死亡…そして集められた証言者。これ以上何を解明するというのか。もう「犯人が悪い」で、いいじゃないか。それ以上に悪い人なんているかよ。誰しもがそう思うところ。
果たして、読み進むほどに不穏とリアルが増していき、嘘は暴かれ、謎は解けてゆく。かなり傑作よりの良作だった。全ての人物に多面性が織りなしているし、イーストウッドでも出てきそうな…いやー、何書いても無粋なネタバレにしかならないような気もするが、とにかく読んで良かった。