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山椒の実

Category: SF

宇宙のランデブー (A.C.クラーク)

名作SF。古典だけどかなりの迫力があり、今でも通用するだろう。あと100年程度で他の惑星に大量の人間が住んでいるとは思えないけど、時代設定は割とどうでもいいので。

実際に恒星間航行することを考えると、そこには人工生物を載せる以外には考えられないと思うんだよね。今の人間のような生物を乗せていくにはエネルギー消費や重量も問題になる。というか惑星間ですらそう思う。いわゆる「シンギュラリティ」がその前に来るんだろうから、それは必然とも言えるだろうね。

横浜駅SF (柞刈湯葉)

横浜駅を舞台としたSF。横浜駅とは言ってもここで言う横浜駅は本州全土を覆う構造物だ。何を言っているのか分からないが、実際にそうなんだから。

かなり楽しく読めたよ。そのうち来るであろうシンギュラリティの先にある物語、かな。

書籍化に当たってだいぶ加筆されているらしいけど、元の物語はネットでも読めるみたい。

虐殺器官 (伊藤 計劃)

よく噂には聞いていたが、なかなか手をつけられずにいた、割と最近のSFの名作。まあこれが良くても新作を読める可能性がないんじゃなぁ…という気持ちもあったんだけど、読んでみた。評判通り、良い。考えさせられるし、何よりもストーリーに引き込まれる。

実は恥ずかしながらこの本を読むまで著者の名前を読めなかったんだけど、「けいすう?」「けいなんとか?」という感じで思っていた。「けいかく」ね。ひとまず次の「ハーモニー」も読むことまでは心に決めた。

恋愛の解体と北区の滅亡 (前田 司郎)

文章がうざい、長々しい独り言を連ねるスタイルのSF。短編の「ファナモ」も悪くない。ただちょっとうざすぎるよねこの独り言。ゴールドジムの下りは本当に必要なんだろうか。そして背景で爆発する扱いの北区が侘しい。北区民はどう思ってるんだろうねーこれ。

まあちょっと本当に、文章がだらだらしすぎているよね。ファナモの話はマジで悪くなかった。このくらいの長さがちょうどいいんじゃないだろうか。

黙示録3174年 (ウォルター・M・ミラー・ジュニア)

滅んだ世界がまた滅びに向かう…その人類の壮大な自殺をキリスト教の世界から描く。なかなか読ませる本だった。この本がこの私が生まれる前に書かれていたんだから、なかなか古代人も侮れんものだな。いや普通に凄いのだが。

これキリスト教以外の宗教が生き残らなかったのかね…日本仏教ベースで同じこと描いたらまた違うんだろうな。

単純化革命から知識を守るために教会がとった手段が「ひたすら隠す」というものだったけど、現代人として思うに知識の喪失を避けるためにできることは、知識を広めることだけだろうと思うんだ。

わたしを離さないで (カズオ・イシグロ)

クローン系SF。TVドラマにもなっていた(私は見てないですが)。ラストまで続く静かな進行が特徴的。こういうのも、いいよね。

臓器提供のために育てられたクローン人間の物語。まあよくあるテーマと言えばそうなんだけど、この設定でこうやるかー。というのは重苦しくも静か。無駄がなく、いやむしろ無駄しかなく? それでいてやはり悲しい。文章量も多く、リアルでいてなおかつ不自然なところがいい。このくらいディテールを書き込んでいてくれると安心して読める。いや、最後どうなるんだろうと思ってそんなに安心できなかったんだけど、この独特な読後感は万人にオススメできるだろうな。

沈黙のフライバイ (野尻 抱介)

最近流行りのリアル宇宙SF。うーむ、いい話だなぁ。同作者の「太陽の簒奪者」が凄く良かったから読んだんだけど、この本も読んでよかった。短編集なので大団円があるわけではなく、それぞれに日常が過ぎていくという趣なのだが、それでもまとまりもあって。

にしても、軌道エレベータはやくできるといいねぇ。いろいろと夢のある話だったり、夢のない話だったり、短編それぞれあるけれども、根底にあるのは宇宙と科学。そのへんは本当にSFの真骨頂と言える。科学をベースにフィクションを加えて物語を語る。

太陽の簒奪者 (野尻 抱介)

ファーストコンタクトもののSFですね。割とハードなやつという感じ。非常によく書けてるということが伝わってくる。このリアル。

途中までは凄く良かった。まあこれコンタクトしたところで「うーん」となるんじゃないかというね。まあそうだよなぁ。実際コンタクトするまではかなりリアルに書けても、コンタクトしたところはリアルに書けないよね。

私としてはかなり好きな部類。この作者の本はもうちょっと他にも読んでみたいところ。

だれの息子でもない (神林長平)

神林長平らしいSF。自分の人生を記憶し自分を模倣するようなネットアバターが普及しているという設定。いわゆる自我科案件(忍殺で言うところの)ですね。火星かなんかを舞台に似た設定のやつがあったなぁ。『帝王の殻』だったかな。最近は実際にスマートフォンが副脳みたいになってる世の中だし、この設定はいい線いってるんだよね。

そして長々しい考察の独白が続いて、ああこれが神林長平だよなぁと。昔ずいぶん好きだったんだよね。雪風とか、海賊課シリーズとか。若いころはこういうのを繰り返し読んだものだ。