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山椒の実

Category: Space

宇宙ビジネスの衝撃–21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ (大貫美鈴)

ライトな読み物として最近の宇宙のトレンドを紹介。要はアメリカの億万長者が次々に参戦し、アメリカ流にビジネスが入り込んでくることで発展が見込めるって話。次々に宇宙トレンド話をなぞって出して勢いよく見せている。いろんな話をバラ色っぽく書いているんだけど、記述内容は本当なのだろうか?

用語でいうとコンステレーションのところはついていけずググって理解しなければならなかった。多数の小さな人工衛星を使って人工衛星クラスタを組むって話ね。ホールスラスタの説明(推進剤を使わずに電気だけで推力を得る?)は疑わしいなと思ってググったら、やっぱ違うじゃん。物理法則ナメんな? こういう、表面だけなぞってポンポン出してくる話は疑ってかからなきゃいかんよね。表面はいいんだけど、この本は表面すぎた感じ? この本を元に知ったかぶりをしたら恥をかくだろうな。だが勢いだけは本物だぜ。

宇宙のランデブー (A.C.クラーク)

名作SF。古典だけどかなりの迫力があり、今でも通用するだろう。あと100年程度で他の惑星に大量の人間が住んでいるとは思えないけど、時代設定は割とどうでもいいので。

実際に恒星間航行することを考えると、そこには人工生物を載せる以外には考えられないと思うんだよね。今の人間のような生物を乗せていくにはエネルギー消費や重量も問題になる。というか惑星間ですらそう思う。いわゆる「シンギュラリティ」がその前に来るんだろうから、それは必然とも言えるだろうね。

沈黙のフライバイ (野尻 抱介)

最近流行りのリアル宇宙SF。うーむ、いい話だなぁ。同作者の「太陽の簒奪者」が凄く良かったから読んだんだけど、この本も読んでよかった。短編集なので大団円があるわけではなく、それぞれに日常が過ぎていくという趣なのだが、それでもまとまりもあって。

にしても、軌道エレベータはやくできるといいねぇ。いろいろと夢のある話だったり、夢のない話だったり、短編それぞれあるけれども、根底にあるのは宇宙と科学。そのへんは本当にSFの真骨頂と言える。科学をベースにフィクションを加えて物語を語る。