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山椒の実

Category: History

寄生虫館物語 (亀谷了)

目黒の寄生虫館の創始者が平易な文章で語りかける。 寄生虫館、こないだ行ったんだよね。もう1年くらい経つか。なかなかユニークでそそられる施設。実際、かなり面白かった。コロナもあってあんまり人はいなかったし、私設の博物館で研究所だから、こじんまりしていた。ただ面白さはあった。そういえば、来日したビル・ゲイツもここを訪れて楽しんだらしいというニュースも見たな。 この本はそんな寄生虫館がどうやってできたのか、

奴隷船の世界史 (布留川正博)

奴隷に関する歴史を記した本。すごい内容だった。 昔のヨーロッパのキリスト教エリアから見た世界(四方をイスラム教徒に囲まれている感じ)とか、割と「そう思って見てなかったな」と思わせるような記述も多い。そして奴隷船だよ。すごいなこれ。まず数がすごい。扱いも酷い。酷くない部分がない。奴隷船で調達するために現地で内戦を起こさせておいて、戦争捕虜の奴隷を引き取っていくとかね。連れて行かれる航海中の死亡率も高い

中先代の乱 北条時行、鎌倉幕府再興の夢 (鈴木由美)

後醍醐天皇の建武の頃に暴れ回った、北条氏の残党のヒーロー。若かったんですね。というか子供じゃないですか。 この頃の話ってややこしいから好まれていないのかとも思ったけど、戦国時代とかと比べるとややこしさは少ないんじゃないかって気がした。あとは、単純に史料があまり残ってないから、真相があやふやである、という説も。 結論としては、足利氏の戦力が強すぎたのかなあ…

九月、東京の路上で (加藤直樹)

大正期の大災害、関東大震災のときに起きた流言飛語によって引き起こされた朝鮮人虐殺を記した本。どういうメカニズムでそれが起きたのか、どうすることで防げるのかに興味があったわけだ。まーしかし読み進めるのも辛い、憂鬱ですごい話だった。しかし大正期か。あの頃で、こんな事実が許されるのか? 警察や軍も率先してやってたなんて。最終的には自警団が勝手にやったことにして全部なすりつけたの? 酷さ醜さが凝縮されている。

歴代天皇総覧 皇位はどう継承されたか 増補版 (笠原英彦)

なんかすごい本。歴代の全天皇とその皇位継承がどうなされたのか、全部やっていく。その血塗られた(?)歴史。自分は南北朝とかよく分からなかったんだけど、理解できてきた。結末は謎だが…南朝が勝ったと思いきや、統一した時に北朝が勝ったの? まあ結局両方とも武家に負けた形になったという感じか。戦争で決着をつけようとすれば、そうなるよね。 外戚と院政についてはなんというか、すごいなという他ない。このパワーバランス

椿井文書 日本最大級の偽文書 (馬部隆弘)

椿井政隆という江戸末期の人騒がせな関西の武士が偽書を量産していたらしい。それにだまくらかされた後人が巻き起こす騒動を書いた本。かなり学術寄りの書き方になっているが、非常に興味深いものがあった。原因や結果について、いろんな分析があって面白い。 神社の縁起も地元の歴史の記述も、割といい加減だったりするんですね。行った先に石碑とかがあると、私なんかはいちいちありがたがってましたが、信じた嘘が書いてあること

トロイ

神話と歴史をベースにした映画。なかなかいい映像で、楽しめた。トロイの木馬、アキレスと亀…ワクワクさせるキーワード群。 観た後でWikipediaの項目を見たら、この映画は史実や神話と違うという点で批判を受けたらしいw アホか。神の怒りやカカト弱点即死なんてあってたまるかよ。カートゥーンじゃねーんだ。 とりあえずヘクトルだけはただ一人、常識人だった。

GOEMON

いやー面白かった。中世歴史改変SF? というジャンルでいいのかな?? その辺はよくわからないけども、アクションもいいし。ちょっと安っぽいと感じる風景もあったが、十分にかっこいい。 問題があるとしたら、「人が死にすぎ」という点かなー。登場人物もほぼ全員死亡、モブも大量死…挙句、最後にあんなこと言うのかよと。

TN君の伝記 (なだいなだ)

明治の自由民権運動の思想家の人の伝記。社会の教科書に出てくるような名前の人ではあるが、名前じゃなくて事績に注目して欲しいため、匿名になっている。ただし図書館によるタグづけは無慈悲だった。隠したいわけではなくて、邪魔になるから書かないことにした、という話なので、ネタバレと言うほどのことではないか。 文章は子供向けだが読み応えはある。濃い人生を送ってたんだなあ。 なかなかに興味深いものがあった。当時の空気

5つの戦争から読みとく日本近現代史 (山崎雅弘)

日本の明治以降の戦争の背景について解説した本。日本側の視点と、世界からの視点を比べた総合的な解説で、学生時代の教育の過程で蔑ろにされてきた近代史について教養を貯めるにはちょうどいい感じがするな。この種の本の1冊目に読む本としては悪くない選択になるだろう。 衝撃的な内容があるわけでもなく淡々とした解説が続くので、眠くなるかもね。自分は正直、中盤は眠くなった。しかしまあ、日本ってのはこの頃はまったく戦闘