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山椒の実

Category: Family

「ふつうの家族」にさようなら (山口真由)

家族の法律に詳しい個人が語る。ふんふん、なるほど…と思うところも多かった。アメリカと日本の親へのなり方の違いのくだりが一番面白かったかなー。 なんか装丁から小説だと思って読み始めたんだけど、違った。むしろ小説じゃなくて良かった。 自分は家族について深く考えることもなく深層心理だけしかない状態だったかな、結婚したのは。それから適当に流されて今に至る。それができたのは「普通」の枠を外れなかったからなんだろ

ルポ 中高年引きこもり 親亡き後の現実 (NHKスペシャル取材班)

いわゆる8050問題。50代の引きこもりの面倒を80代の親が見ているという、ある種の地獄を観察する。一種の共依存みたいなもんなのかなぁ。そして親もしくは子…そのいずれかが死ぬ。どうなるのか。能天気でもあり、しかし壮絶な話が続いた。 思ったのは、「人に迷惑をかけたくない」という意識は危険だなと。人は単独で生きていく種族ではなく、迷惑をかける/迷惑をかけられる範囲がその人物にとっての「世界の広さ」でもあ

人殺しの息子と呼ばれて (張江 泰之)

北九州のあの事件の息子との接触、そしてインタビューをTVで放送したテレビマンが、その経緯を本にしたもの。 私はこの番組、見たいと思ってはいた記憶があるが、見なかったんだよなー。なんでかわからん。長時間テレビを見る習慣がなくて、まあサッカーとかバスケの試合は別だけれども、興味を持った番組すらも見てないんだ。どうしたものか… それはともかく。 この事件の本は以前に読んだことがあるし、似た境遇と言えばオウムの

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (豊田 正義)

日本の犯罪史において最大級の犯罪となった、北九州での虐待からの族殺事件を描いたノンフィクション。しかも自分は殺害行為には手を下さず、家族同士で殺させて死体の解体もやらせたっていうね。信じがたい悪。凄惨な虐待。何だこれ。ここまで胸糞悪いのは久々…いや初めてか? うーん… 私もこういう、精神攻撃による状態異常…デバフって言うんですかねRPGとかだと。そういうものへの耐性は強くないので、どうやったら犠牲にな

ルポ 父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか (おおたとしまさ)

男性の子育てに関するケースを紹介したり、統計データを紹介したり。結論は…ケースバイケースです。家庭の形というのは一通りではないので、それもそうなんだけどね。 世帯年収と幸福度の話は印象的だったな。内閣府かどこかの調査で、世帯年収が増えると女性は幸福を感じる率が上がるが、男性は減っていくっていうね。ホントかな。以前に見た話では、1000万だか2000万だかが境で、それ以上稼いでも幸福にはならないとかい

介護殺人 追いつめられた家族の告白 (毎日新聞大阪社会部取材班)

介護者による殺人について取材を重ねた毎日新聞の取材班による著作。これは圧倒されるね。生きるとは。自分や配偶者の死に方について考える。親のそれについても。子についてはまあ、自分でなんとかしろ。自分についてはまー、始末の悪い死に方はしたくないよね。誇りなき死を避けるにはどう生きるべきか… 施設で静かに生活できた方がいいことは分かっている。ケアのために現役世代の時間や才能を奪うというのは構図としてはおかし

ねじれた絆-赤ちゃん取り違え事件の十七年- (奥野修司)

沖縄で起きた赤ちゃん取り違え事件を追う。看護師のミスで取り違えられて、幼稚園年長の6才で発覚し、交換で元に戻そうとしながらもなかなかうまく行かずに…文庫本の追加まで含めると最後は30才くらいまでなるから、17年どころの話ではない。 興味深い話ではあるんだけど、読むんじゃなかったと後悔した。いや、悪い本だと言っているわけではないです。このテーマでこの分量を読んでしっくり読み終われるほど成熟した人間にな