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山椒の実

日本インターネット書紀 (鈴木幸一)

日本書紀っつったら国生みとかヤマトタケル、だよねー。

この本は日本の最古参インターネット企業、IIJの創業者がつづる、日本のインターネットの歴史。まあ謎の規制との戦いですよね。

IIJが今まで生き残ってこれたのは、当時(1992年)インターネットで食っていけるなんて思ってる人は日本に他に誰もいなかったわけで、そこに着眼した時点で勝ちなわけです。企業を起こすには見通す目が必要。あとはタイミング。タイミング的にもベストに近かったはずだが、やはり規制との戦いがね。

当時の官僚(インターネットの敵!)はどう思ってるんでしょうな。まあ企業の現役経営者が自分の会社を語るわけだから、無理解者をこき下ろして自慢話っぽくなる傾向は避けられない。ただ無意味にネットを殺そうとした官僚たちはクソだよな。見識がないにも限度ってもんがある。悔しい失敗もあったし、まあ日本とアメリカのIT状況を比べると情けなくなる気分もある。

私がIIJの名前を初めて聞いたのは大学の講義でのことでした。後藤(滋樹)先生という人がネットワークの講義をしてくれたんですが、そこでIIJの話になったんだよ。それが印象に残っている。1994年に大学に入ってるから、たぶん1994年か1995年のことです。まだプロバイダというものが日本にはIIJしかなかったんだと思います。

その頃私は大学で初めてネットワークやWebというものに触れたんですよね。実習ではTCP/IPを使うソケットのプログラムを書きました。クライアント側とサーバ側で、クイズゲームを作った記憶があります。ネット環境と言えば共用端末にNCSA Mosaicが入っててな。それが誰かのhomeに強引にインストールされたNetscapeにみんなでシンボリックリンクを張って使うようになり…そいつのhomeのquotaはNetscapeだけで速攻満タンになってたな…あーなつかしい。

そんな私も今やIIJの社員。なぜなら私もまた、特別な存在だから…なの?

今でもTCP/IPのプログラムは書いてます。20年。いろいろあったけど、本質は変わらないもんだよね。