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山椒の実

台湾生まれ日本語育ち (温又柔)

日本で育った台湾人の作家が、自分を取り巻く言語について経験と思索を綴っていく。自身の日本語、親世代の台湾語と中国語のちゃんぽん。中国語も、北京語と台湾で違いがある。複雑でないところまで複雑になってしまう歴史と政治事情。台湾ならでは、この時代ならでは、みたいなところ。世代によっても事情が異なる。稀有なことでもあり、ありふれたことでもある。

話す言語は属する文化とつながっていて、書類上の国籍よりも拘束が強い。そして言葉の使い手が、自分のアイデンティティを母語に求めていく。

馬祖や金門島の話が出てくると、台湾海峡の事情も透けて見えてくる。あとは投票の話とか。投票権の有無は確かに、言語や文化ではなくて書類上の籍で決めてますからね。