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山椒の実

Category: Essay

台湾生まれ日本語育ち (温又柔)

日本で育った台湾人の作家が、自分を取り巻く言語について経験と思索を綴っていく。自身の日本語、親世代の台湾語と中国語のちゃんぽん。中国語も、北京語と台湾で違いがある。複雑でないところまで複雑になってしまう歴史と政治事情。台湾ならでは、この時代ならでは、みたいなところ。世代によっても事情が異なる。稀有なことでもあり、ありふれたことでもある。 話す言語は属する文化とつながっていて、書類上の国籍よりも拘束が

自分はバカかもしれないと思った時に読む本 (竹内薫)

うーん、読んだはいいけど、何とコメントすればいいのか… 学問的な裏付けは皆無で、老人が若ぶって軽いトーンで印象論と精神論で押し切る、みたいな文章がひたすら続くという…これ読まされんのは苦痛よな。しかもテーマがバカにならないにはどうしたらいいか、みたいな。小賢しいというか、くだらなさすぎる。しかしこれをよく本にしようと思ったよな。まあタイトル見た時に悪い予感はあったんだよ? 図書館で予約してしまった自分

父の詫び状 (向田 邦子)

日本三大邦子の一人、向田邦子の代表作ともなったエッセイ集。文章の達人が、自分の子供時代を振り返る。昭和だよね。平成が終わりに近づいて、昭和を思う。そしてこの本を読めばそこに昭和がある。 昭和から平成にかけての時代は人類史にとっても激動の時代だと認識しているんだけど、どう捉えたら正しいのかまだ戸惑っている部分が自分にはある。昭和という時代を認識するにあたって読んでおきたい本ではあった。 暴力が終わる時代

事実の考え方 (柳田邦男)

日本三大「やなぎだくにお」の一人。「くにおくんシリーズ」の主人公の姓は柳田だと思っている(←私が勝手にそういう印象を持っているだけです)。名前で損してるよなぁ。初見では別人だとは思わんもんな。まあ有名な人ではあるけれども。 この本はいろんなところに書いたエッセイをまとめたもの、という感じ。航空機の事故に関する調査から、医療関連の話まで。割と臨場感のある書きっぷりなので退屈せずに読めると思う。後半は書

小説家の四季 (佐藤正午)

先日大きな賞を受賞した、佐藤正午のエッセーをまとめた本。これで作者の狂気が感じられるだろうか。自分はそれを感じたが。一般的に見て、さすがにあまり常識人とは思えない。読んでる自分もそれほどの常識人ではないのですがね。 サイン会のくだりが抜群に良かったな。ボルのくだりはしつこすぎる。しかもこれ、元は3ヶ月に1回の連載ものでしょう? ボルの話を1年以上してたのか…マジでか。さすがに最後にオチをつけるのは作家