Skip to main content

山椒の実

トルコのもう一つの顔 (小島剛一)

トルコに魅せられた言語学者が、トルコ政府が存在を認めない少数民族の言語について長年に渡り調査する。公式にはトルコ人は皆トルコ民族でトルコ語を話す、と。しかし実際はいろんな民族がいていろんな言葉を話している。少数民族と言っても、クルド人は多いし非公式にもクルド人と思われている中にもザザ人がいたり、かなり入り乱れているようだ。多大な危険を冒して調査を進めて…

といった話。この種の真面目な本とは思えないほど、すごく面白かった。実体験、現地調査がとにかくすごい。すごい世界もあったものだ。これは日本に暮らしてるとわからないよ。日本にも少数民族はいるしその人たちの独自の言語もあるわけだけど、存在感の質・量ともにレベルが違う感じ。存在を認めてないクルド人…という印象からはせいぜい数%とかのレベルだと思ったら、1/3くらいがクルド人って。マジかよ。。。

ヨーロッパのゴチャッとしたところとアラブのゴチャッとしたところ、そして北アフリカもか。トルコは、あのあたりが混ざってさらにゴチャッとしてるんだろうな。

この調査の影響で、トルコ政府も少数民族に対する政策を変更したような話がWikipediaに書いてあった。調査や学問の、人類に対する功績だなあ。