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山椒の実

Category: Study

浪人回避大全 (濱井正吾)

9浪したという著者が教訓を語る。

多浪と聞いて感じるイメージと実際のものは異なるんだな。最初の著者の浪人年表を見て思う。この人は凄い。本物というか、浪人であって浪人でない、勇者とかヒーローの類の人物だ。

仮面浪人も、自分が見たことのある仮面浪人はすぐに大学来なくなったのでそういう感じかと思っていたのだが、ちゃんと単位とって卒業、就職までしてるんですね。編入試験受けて名の通った大学に移ったり。そして働いて学費を稼ぎながら勉強してさらに上の大学を受けると。それが浪人だと言われても、確かに受験を目指して勉強はしているから浪人なんだろうけど…

トルコのもう一つの顔 (小島剛一)

トルコに魅せられた言語学者が、トルコ政府が存在を認めない少数民族の言語について長年に渡り調査する。公式にはトルコ人は皆トルコ民族でトルコ語を話す、と。しかし実際はいろんな民族がいていろんな言葉を話している。少数民族と言っても、クルド人は多いし非公式にもクルド人と思われている中にもザザ人がいたり、かなり入り乱れているようだ。多大な危険を冒して調査を進めて…

といった話。この種の真面目な本とは思えないほど、すごく面白かった。実体験、現地調査がとにかくすごい。すごい世界もあったものだ。これは日本に暮らしてるとわからないよ。日本にも少数民族はいるしその人たちの独自の言語もあるわけだけど、存在感の質・量ともにレベルが違う感じ。存在を認めてないクルド人…という印象からはせいぜい数%とかのレベルだと思ったら、1/3くらいがクルド人って。マジかよ。。。

ちいさい言語学者の冒険 (広瀬友紀)

言語の学習において、子どもや外国人みたいに未習得の人の反応を見て言語の特性に気づくという話。特異な部分があり、知識がない状態だと過度に一般化して理解してしまうので、そのギャップが露わになる。微調整済みなのが大人ということになる。

自分の子供も狭いコミュニティの中で言葉を違う意味で使うようになるとか、そういう経験があった。「強気」と「弱気」とか。というわけで私も子育ての記憶をたどりながら読んだわけだが、なかなか面白い話だった。