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山椒の実

ネット狂詩曲 (劉 震雲)

中国というちょっと特殊なネット環境にある国家の中で、ネット上で話題になった事件を集めてつなげた小説。割と楽しめた。

まあ現代にもなってすごい世界もあったもんだね、という気持ちになる。序盤は翻訳の問題か著者の問題か、説明的な文章が並んでいて文章力に不安を感じてしまったが、後半はかなり良くなった。

中国語と日本語で共通の言葉があるんだけど、言葉のニュアンスはかなり違うものがあるんだね、とも。「矛盾」とかね。

たぶん中国本土では「あーあの事件か」ってなって楽しめるものなんだろうと思うけど、日本人にとっては共通の話題ではない。そこに寂しさも感じる。まあ日本でもネット上で話題になった事件って色々あるから、こんな感じでまとめて小説にしてしまう作家が出てくるんじゃないかと思うね。そういうのって割とウケるんじゃないか? しかも新しいネタは次々に出てくるわけで、シリーズものにして楽しんだりさ。