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山椒の実

神楽坂 (矢田津世子)

神楽坂のケチな金貸し。奥さんの死に関連するあれこれを描いた小説。青空文庫で読めます。

彼の人生の意味って何なんだろうね。充分なカネを稼いだのなら、引退して南の島でのんびり暮らせばいいのに。…と、自分が同じ立場になることはなさそうなので適当なことを言いだしてますが、特に感動があるわけでもなく、大きな驚きがあるわけでもない物語が淡々と続くこの感じね。好きな人は好きなんだろうな。この小説を読んで、時刻表のトリックくらいは使っても良かったんじゃないかなんて思ってしまう自分の人生は一体なんなんだ??

ラストも淡々としていてさしたる結論もなく終わる。昔の小説はこういう、日常系でちょっとしたドラマがあったあとからの(そのドラマ自体はほとんど描かれないままで)オチのない話が好まれていたんでしょうね。他に青空文庫で「多摩川 (林芙美子)」を読んだりもしたけど、同じような雰囲気だった。あー、一応、神楽坂も多摩川も場所を少しは知っているので、そういうのを探して読んだりしてるんだよ。

結局この世はお金ゲーなんだよな〜。どんな頑張ったところで、最後のカネで決まるんじゃん。クソゲーがよお。