ガンになった話

先日、精巣ガンという病気にかかりました。セーソーガンって、何か戦隊モノの武器の名前みたいでいいですね。まあ症状としては金玉がでかく&硬くなっていくので、自己診断しやすいガンです。自転車に乗るときの違和感が半端ない。

私の場合はこんな感じでした。

  • 2~3月頃、症状に気づく。身体の一部とは思えない状態になっていく
  • 子供のちんこチーン攻撃が激化。やめてください死んでしまいます
  • この状態で1~2ヶ月放置してみた。こりゃ~ほっといても治らないと確信。
  • 症状をググってみたらガンとのこと。こんな状態、普通じゃないし、ほぼ間違いないなと思った。記念すべき検索キーワードは「睾丸 肥大」
  • 放っとけば死ぬだろうけど、治療すれば治る可能性は高そう。さてどうしよう
  • この頃、奥さんに「おれ、病気かも」と告げると、「ザッケンナッコラー」と蹴られた。病気の告白でヤクザスラングと暴力ナンデ? この家はどうなってるの!?
  • 「泌尿器科」の読み方が判明。「ひにょうきか」でした。恥ずかしながらこの歳になるまで知りませんでした
  • たまたま家の用事で会社を休んだついでに、泌尿器科の町医者にGo! 炎症の可能性を消すため、飲み薬を投与。当たり前だが効果なし
  • この頃、会社に1週間くらい休むかもと伝えておく
  • 1週間後、町医者に行き、紹介状を出してもらう
  • 4日後、病院へ。症状を説明して一目見るなり「フフッ、こりゃ決まりだねえ」エコー(MRI?)を見つつ、手術までの日程をあっという間に決めていく。「これって放っておくとやっぱり死にますよね?」「うん、死ぬねえ」というなごやかな会話。血を採ったりレントゲン撮ったり。モノは取れば病状は良くなるし、ガンで怖いのは転移だけど、精巣ガンは抗癌剤が効きやすいので、仮に転移してても9割方は治るよと言われた。1割に入らないようにきをつけよう。
  • 会社に日程を説明。同じ部署に同じ病気になったことがある人がいた。けっこういるんですね。
  • 健保に自己負担の限度額の認定書を出してもらった。思いのほか速攻で出してくれた。
  • 1週間後、CTスキャン撮影
  • 3日後、手術前説明。血液の数値やCT、レントゲンの説明を受ける。HCGとHCG(β)の値がメチャクチャ高い。CTでリンパが腫れてるようにも見えるから、転移してる恐れがあるとのこと。遺伝とかは関係ないらしいので、息子たちが20代になったときに「金玉がでかくなったら病院に行け」と訓示を垂れなくても済みそうだ。
  • 3日後、入院。尿の量を記録するウロゼントC2000Eのタッチパネルの感度が悪すぎて、入院中はこれで苦労した。シャワー室で自分で電気カミソリみたいなやつで剃毛。若い看護師さんに肥大した睾丸部分を見せるのも、もう3人子持ちのオッサンだから恥ずかしくない。
  • 翌日、手術。浣腸、全身麻酔、尿管と嫌なメニューのフルコース。手術中は寝ていたが、終わった後は痛さと不快感に苦しみながら時間が過ぎるのをひたすら待つ。時計はいくら睨んでも早く進んでくれない
  • 翌日、管が外れるヤッター。尿管は9:30頃、点滴は10:30頃、傷口の細いドレンは午後に外れた。朝の食事は繋がったままだったので大変だった。もっと早く外して欲しかった。
  • 翌日、病院でのんびり過ごす。朝食を忘れられていた。
  • 翌日、病院でのんびり過ごす。だいぶ普通に動けるようになった。退院時間の相談など。
  • 翌日、退院。歩くフォームとリズムが健康時に近くなってきて、ある程度の荷物なら持っても問題ない。ただし動きは緩慢で、疲れやすい。
  • 翌日、隣の公園に子供たちを連れて行ってみる。まだ素早い動きができないので、危険なことに対しては予測でごまかすしかない。買い物にも行ってみたが問題なさそう。ちんこが常に縮み上がっている感じで、違和感がありまくる。もちろんアウェイには行けず。
  • 翌日、社会復帰。生命保険のおばちゃんと話す。ガンなので結構出るということだけど、どうせならもっと手厚く入っておけばよかった。
  • この頃はあまり傷の経過が良好でない気もした。痛いし、時折激しい違和感に襲われる。少し出血もしたり。
  • 部屋の掃除をしてみた。入院前にやって以来、掃除されていない部屋は塵・ホコリにまみれていた。奥さんも体調を崩して寝てたりするので、子供の世話とか食事の準備とかの家事をいろいろ。
  • 奥さんの機嫌が悪いので、男子4人で公園に。近所のクソガキと走って遊んでみた。けっこうまだ疲れやすいんですけどね、なかなか休息させてくれないです。
  • 数日後、通院。HCG(β)の半減期は24時間なので、病原がなくなってればもう出ないはず、という説明。セミノーマ>>非セミノーマ。血を採ってまた来週。
  • 1週間後、通院。HCG(β)が基準値以上、HCGは基準値以下、という微妙な結果。やはりリンパに転移してるかも? PETの検査を受けるために新横浜に行くことに。
  • 翌日、新横浜に。3時間くらいのPET/CT検査だった。午後半休は取ったけどすぐ終わるなら空いた時間はどうしようと思っていたのだが、まるまる半日使った。請求はまさかの3万円越え。北新横浜のあたりは初めて行ったが、医療機関が多い。駅前にでかい店が。道路も広いし、空間に余裕がある。
  • このあたりで保険屋さん向けの診断書をもらっておいた。文書料が5000円くらい。それを生命保険のおばちゃんに渡した。
  • 1か月後、通院。PETではリンパへの転移は認められず、肺の手術跡だけが写っていた。採血。しばらく採血で様子を見るという方針に。
  • 今ココ!

町医者はヤブだったのかな? なかなか紹介状を書こうとしなかった。素人目に見ても切るしかないと思っていたから、なんで薬なんて飲ませるんだろうと。けっこう面倒だったから、直接大きな病院に行ったほうが良かった。確かに初診料はかかるけど、会社を余計に休むことを考えれば。

医療費は健保があるので負担はそれほど多くないです。健保には1ヶ月ごとの負担リミットがあるのですが、入院が月をまたいだため、少し多めに負担するハメになりました。最近の当家はけっこう金欠ですから、意外とこういうのが痛い。PETも金額を知らずに受けて、帰り際に請求額を見たときはそりゃビビったね。たまたま財布に補充したところだったので奇跡的に現金で払えた。このへんは今後、生命保険が入ってくるので少しは生活が楽になるかも。まあ生命保険の項目も保険金の負担を下げるためにちょっと前に見直しをして、減らしちゃってたんですよね。

局部の違和感はもうありません。普通に生活できてますし、肩車やお馬さんパッカパッカもできます。PETで転移が認められず、あとは血液の数値をしばらくモニタするだけになりそうなので、まあほぼ終わったと言っていいと思いますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です