カネカネカネ。カネが全ての世の中ですよ。数千円クラスから数百万クラスのやり取りをテーマにした短編集。短編集って言っても同じ一族、3世代の女性たちを描く。だから短編集というのもちょっと正確な言い方ではないのか。視点を変えながらの進行という感じで。
借金の話はねえ。まあ俺も結婚した時は奨学金の返済終わってなかったですよ。まあ負担も軽いし利子もなかったので繰上げ返済しなかった。株に突っ込んだ方がマシだろうという感覚で。ただ、この考えはちょっとお相手の実家筋に違和感を持たれた記憶がある。
そしてやはりだね、私も息子が3人いるから、誰が最初か分からんけど、結婚相手を連れてきた時の対応を考えてしまう。果たして、どんなおもてなしをすればいいのか。自宅に招いたら何か手作りのご馳走を出さないとだよな。何作ろうかな。高級料亭か高級ホテルのレストランでも予約した方がいいのか。
あとは、現代の小説でもしばしば生活能力ゼロ男が描写されるけど、実際珍しいですよね。自分のまわりの親世代、同世代の知り合い、子供世代それぞれの男性を考えても、そんなやつ皆無では? 何か特別な事情がないとキャラクターとして説得力に欠けると思うんだよな。奇病に侵されているとか、極端な生育環境で育ったとか。掃除タイミングは個人の感覚の問題だとしても、特に食事ができないというのはさすがに現実感がない。食わなきゃ死ぬでしょ。そもそも難しいことじゃないし。
まーそれでもいろんな人がいるけどね。私の奥さんも結婚した時点でカップラーメンの作り方を知らなかった(他のことはできた)。一人暮らしならあり得ないと思うが、カップラーメン食う機会がない実家というのは、あるかもしれない。そんな人がいるのも現実の一部と言えばその通り。他人の人生などよくわからんよ。自分の人生すら怪しいのに。だが小説に出てくる大人が食事できないのが普通ですみたいな顔されると、引っかかるわけよ。