ただ君に幸あらんことを (ニシダ)
中編2本。スターの未亡人の話と家庭内の地獄のような話の表題作。かなりしっかりした小説だった。著者は本業芸人さん? かな。 さすがの能力だ。心に残る。
未亡人の話はシンプルに、いい話だった。いい話すぎる中に悲しさがある。そこに雰囲気があっていい。不可逆的な変化と、時間が経ってからそれに気づく心。
表題作は読んで過呼吸になる人もいるんじゃないかな。実際ウチもね…略すけど。世襲要素のないサラリーマン家庭でこれが起こる。起きがち。いやフィクションだけど、一定のリアリティを持つ。なぜこうなるのか。おかしいけど、人間というのは元来おかしいもので。なんだかなあ。
いきなりある種の破滅に向かうのはオススメできないが、それでも戦わなければならない時がある。できれば彼にもただただ自分の人生があらんことを。