中村哲さんの書いた文章と写真を混ぜてまとめた本。医者が、たくさんの命を救うために治水に取り組む。遠くアフガニスタンの地で、故郷の知恵を使って。

本質的なゴールへの意識を忘れない話で、『ファクトフルネス』にも似た話があったけど、医者とは何か、が問われる話では、あるよね。もともとアフガニスタンは農業国だったのに、戦乱と気象変動のあおりを受けて荒廃、農地を失った人が生きるために武器を取り、何も理解しない西欧人が空から虐殺を降り注がせる。その終わりの見えない地獄の中で医者は多くの命を救うために…

私は玉川上水のそばで育ったこともありますし、今は二ヶ領用水の近くに住んでいます。流域の民衆には小泉次大夫や田中休愚、玉川兄弟の偉業は知れ渡っていますが、中村さんへの尊敬も新たにした。夏王朝の禹のことも書いてあって、そういやそうだったなと思い出した。地球は水の惑星であるからして、治水に成功するというのはそれだけで尊敬されるんだ。

YouTubeのサイフォンTVとかで、いつかアフガニスタン編とかやってほしいなー。実際のところ、現代日本も治水においては失点が少ない運営をしていると私は評価している。異常気象でやられることもあるけど、おおむね成功と言える状況と思うよ。治水に失敗してないから、日本は農民が傭兵やテロリストになったりすることなく、安全な国でいられるんだよ。

この人の文章自体は年配の文芸者っぽい文章で、読みやすい人には読みやすいし、そうでない人には読みにくいんだろうなと想像した。あとは…国会に呼ばれて話したら議員にヤジられたり発言撤回を求められたりした話は、率直に言ってひどい話だと思った。