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山椒の実

トマト缶の黒い真実 (ジャン=バティスト・マレ)

トマト缶。なんと平和な物体だろう。しかしその先には深い深い闇があった。またすごい本を読んだなぁ。

アメリカではケチャップは正式に野菜と認定されていて、ケチャップがドバドバかけられたピザがサラダという扱いで給食に出てくるらしいです。カロリーゼロ理論に近い。

それはともかく、缶詰やケチャップに使われるトマトはなかなかブラックな作られ方をしている。アメリカ・カリフォルニアの機械化の話は確かに残酷な面はあるが非人道的とまでは思えなかった。究極の効率を追い求めつつ、アメリカ的な話だよね。中国の新疆ウイグル自治区の話もまあ、アメリカ方式を目指してるんだろうなって。軍との関係はかなり勉強になったよ。イタリア南部の話はわりとひどいな。マフィアが仕切り、移民をこき使って…

作り方に関しても、わりと衝撃的だ。まず缶詰に使われるようなトマトは丸くないんだそうだ。細長くて、取り扱いやすい。思わずググって画像を確認してしまったよ。それが熱されて3倍とか8倍の濃縮トマト液になる。新疆ウイグル自治区で生産されたそれがドラム缶に詰められて、海を渡って工場に送られて、水で薄めてそのまま缶詰になったり、添加物満載で激安になったり…

しかしトマトペーストなんてそんなに食うもんかねぇ、という気もしたよ。和食で使うことは少ないし、自炊してた頃も、トマト系のはケチャップくらいしか使わなかったよ。今もそれほど食ってないと思う。それは私が日本に住んでいるためなのかどうか。