一気に読み終わってまずすることは、世界地図か地球儀を引っ張り出して「マラウイ」を探すこと。どこなんだ…アフリカの下の方の内陸で、大きな湖がある国ですね。なるほど。

この本は、そのマラウイで起こった壮絶な飢饉、その影響で中学校を中退することになった少年が小学校に作られた図書室に通って独学で物理を学習し、廃品を集めて風車を作って電気をもたらした物語だ。マラウイでは電気は万人のものではない。国営(?)の水力発電はあるが品質は悪く高価なんで、ほとんどの家には電気が来てない。しかし少年は電気でやりたいことがあったのだ。まあ、闇に生まれた…天才ですね。メイカームーブメント!

凄まじいことにこれが実話。なんつーか、とりあえず飢饉の描写がスゴい。ここは共著者の力量が大きいと思った。完全にクソ大統領が悪い。実際次の大統領はマトモだったおかげで同じような不作にも耐えられたわけで。

そして、この自作風車とその先の自宅の電気設備を改良していくんだけど、その途上でそれがある博士の目に止まり、TEDでスピーチするまでに。で、中学校や高校にも通えるようになり、この本の出版時点ではアメリカの名門大学に通うことになったらしい(今は卒業して、ツイッターアカウントもある)。池上彰の解説にもある通り、それは単なるサクセスストーリーではなくて、向学心と教育の大事さを思わせる事件だ。もしここで彼に図書室が与えられなかったら? 奇跡は偶然には起きないのだ。