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山椒の実

東芝 粉飾の原点 内部告発が暴いた闇 (小笠原 啓)

東芝の没落を日経ビジネスが記録していく。WHの赤字のスクープを出したのが日経ビジネスで、当時内部告発の窓口を作って、色々情報を集めたようだ。かなり臨場感のある書籍になっている。なかなか興味深かった。無論こんな本だから、読後感は良くないよ。

東芝問題の戦犯はまあWH買った奴なんだろうけど、そのあとは色々あって、それぞれの人物の動機は割と納得の行く合理的なものなんだな、というのは感じたね。

東芝没落の経緯というのは学習しがいがあると思う。ビジネススクールとかではこういう本を元にロールプレイして味わい尽くしてるんだろうなぁ。WHを買った後に社長に就任したとして、会社を潰さないためにどういう決断をして行くか、みたいな。

この本の後半では切り売りの繰り返しによってどうにかカタがついて行く。今やメモリもカタがつき、WH自体もどうやら売れたみたいですし、かなり身軽になりましたね。WHだって東芝本体のつぎ込んだ資金によるドーピングを受けた後だから、実はビジネス上は競合他社と比べて有利に戦えるのかな?