バスケ迷走…

日本協会がFIBAから制裁を受けて国際試合に参加できない状況に陥りました。20人以上いる理事が総辞職やむなし、とかいう。ところでFIBAってどう読むの? FIFAはフィファだと思ってたらフィーファじゃないですか。てことはFIBAは今夜はフィーバー! アメリカンスポーツだしFIBAみたいな国際協会がそんなに力を持っているような気はしないんだけど、どうだろうか。

今回の状況に対して、bjリーグができたときの開幕戦(当時はまだ独身でした)を有明まで見に行った私は一言何かを言ってもいい気がする。応援しようとしていたチームはすでに消滅してしまっていますがね。

バスケは他の球技と比較して運営費があまりかからないスポーツです。室内競技なので観戦も快適、他の球技がオフシーズンの間にリーグ戦を行うことができ、連戦が可能なためサッカー等よりも試合数を稼げます。そして競技人口が多く潜在的な観客が多い。そのへんがメリットで、私もかなり有望なスポーツだと思ってました。

実際観戦しても、快適な室内、クオリティの高いスタグルメ、盛り上がる試合展開、見ごたえのあるチアのダンス、うるさい音響にMC、となかなか悪くないものでした。

なぜこんな体たらくに? FIBAの指摘通り、ガバナンスの問題。協会の実力が足りていない。権力/権威/カネ/人、何らかの力が足りないんです。高校の大会(インターハイか?)が国際大会の日程とかぶっているので高校生が国際大会に参加できなかったり、トップリーグが統一されていなかったりする…権力者が決めれば済む話ですよね。理事はたくさんいるらしいけど、何も決めてくれない…高校の大会の日程くらいずらそうよ…なんなのそれ? 何年もモメるような話のワケがない。バスケ界に人がいなかった。

実業団のアマチュアのほうが実力が上ってのもね。プロリーグからすると営業妨害みたいなもんで。プロ野球も黎明期は大学野球よりも人気/実力が下だった時代があったと聞きますが、まあそれって普通じゃない状態ですよね。しかも実業団のほうはクラブ運営なんて本業じゃないし観客動員もどうでもよいチームも混在しててビジネス環境が悪く、クラブと比べてリーグの財力が小さいので経営危機のクラブが出ても救済できない。bjのほうもリーグはそれほど強いわけではないんだろうけど、クラブはもっと弱いので、何らかの救済や支援はしますもんね。クラブも少ないリソースで集客に必死ですし。まあそれでも潰れるチームは潰れるのだが。東京…それは儚い夢だったのか?

前職の会社はバスケのチームも持ってまして、総務でチケットもらって見に行ったことも、ないわけじゃない。ホームコートの近くにある事業所には社員動員のメール一つですぐに満員になって余りある人数がいる。動員かけなきゃ、ガラガラです。それって観客集めるためにスタッフかアタマ使う状況ではないわけです。観客集めなんて生き死にもかかってない、努力も無駄で誰にも評価されない、やりがいのない仕事なんです。バスケは実業じゃなくて虚業なんです、実業団にとっては。

それでも試合が近くなると朝、選手がビラを配ってました。門の中で、社員にね。試合には社員しか呼ばない。外で一般の人を呼ぶ方向のインセンティブはない。チケットは社員ならタダかタダ同然で手に入るが、外で売ってるかどうかは怪しい。実業団のコートの中は憧れるような世界ではないんですよ。競技者として環境と金銭が保証されているというのはでかいけど、それは内向きの幸せだよね。競技の持っているポテンシャルと比較すると、バスケは人々を十分に幸せに導いていない。私が若かりし頃たしなんでいたフェンシングから見たら、スポーツ市場におけるバスケのポテンシャルなんて垂涎の的ですよ。それを活かす義務ってもんがあるんじゃないか。

僕が仮に億万長者だったら、ポール・アレンのように何らかのプロスポーツクラブを買収しようと思うだろうけど、バスケのクラブはその候補に入ってくるのかな。僕の財布の中の無尽蔵のカネ。しかし人々を幸せにする気のないものにカネは使いたくないものよの。夢見がちな少年の心で僕はそのことを考える。…アホか。

動員に関しては、アウェイチームも盛り上がらなきゃ会場の雰囲気は出ず、悪影響が出る。だから全クラブ運営を親会社から別の会社にして、なるたけ独立採算にしとかなきゃだめなんだよ。ビジネスマンだってそんなこと分かってるんですよ。そこでなぜプロリーグ化に合意できないのかというと、やっぱり玉ころがしごときに本気になるようなもんじゃないと思ってるんでしょうね。誰しも傷を負いたくはない。私がかつて応援しかけたあのチームのスタッフなんて、チームが消滅して職を失ったわけですから。それは嫌だよね。

私にとっても、理想というのがある。オフの間に見に行って楽しめる娯楽スポーツがあるといいな、っていう。会社の近くに東京ドームがあり、自宅の近くに等々力がある。この状況でバスケはおれの生活に食い込めるのか? 今は食い込めてなくて、ちょっとでも忙しくなると最初に削られて、最後に残ったフロンターレすら満足に観戦できてない現状があるわけだけど、情熱があったら、室内競技だしバスケが生き残ってたっておかしくはなかったんだ。

だからなんだ、って話でもある。

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