土曜日の鹿島戦の結末は火曜日の理事会に委ねられることになりました。一日経って冷静になったので、結果を予想してみます。
まず最初に整理するのは、何が原因で試合が中止されたかという話。Jリーグのリリースによると、
大雨によるピッチコンディション不良のため、74分(後半29分)に中断後、試合中止となりました
とされています。「大雨」は間接的な原因で、直接の原因は「ピッチコンディション不良」であるところは注目すべきでしょう。
Jリーグ規約の第63条では以下のように規定されています。
第63条〔不可抗力による開催不能または中止〕
公式試合が,悪天候,地震等の天災地変または公共交通機関の不通その他いずれのチームの責にも帰すべからざる事由(以下「不可抗力」という)により開催不能または中止となった場合には,原則として再試合を行う.
雨は「悪天候,地震等の天災地変」に相当しますが、「ピッチコンディション不良」は天災地変ではなく、ピッチコンディションを保つ責任はホームチーム側にあり、試合続行が不可能なほどのピッチコンディション不良に至るのが不可抗力と言うのは不自然だと思います。
ではどうなるのか。第64条は以下の内容です。
第64条〔敗戦とみなす場合〕
公式試合が一方のチームの責に帰すべき事由により開催不能または中止となった場合には,その帰責事由あるチームは,原則として0対3で敗戦したものとみなす.
本当にピッチコンディション不良が原因となる場合は、0-3で川崎の勝ちになると考えるのが妥当です。
では、本当に今回の中止の責は鹿島にあるのでしょうか? 私は以下の3パターンがありうると思います。
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主審・マッチコミッショナー(判断ミス)
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鹿島(ピッチコンディション)
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誰にも責任はない(不可抗力)
主審・マッチコミッショナーの判断が間違いで試合が中止となった(=ピッチに問題はなく、続行可能なのに中止と判断した)と理事会が判断した場合は、いろいろ考えられますが、おそらく0-0からの再試合となると思います。なぜなら、鹿島にも川崎にも過失がないので、どちらにもペナルティを与えることができないためです。この場合、主審とマッチコミッショナーには減給や試合割り当てから外される等の処分が下されるでしょう。誤審(誤判断)自体は認めて、すみませんが0-0からやってください、という話です。この判断であれば、飲むしかないです。
鹿島のピッチ管理に問題があったと判断した場合は、前述の通り、0-3で川崎が勝ったことになり、再試合はなし。イエローカードや得点数、出場時間の記録がどうなるかは規約からは不明です。ただ、川崎はたいていリーグには弱腰ですので0-3は要求せず1-3でも唯々諾々と受け入れてしまうと思うので、試合成立という形式を取る可能性も大きいと思います。得失点差を1点損した形で、この1点が後々響かなければいいなと思います。0-0開始の再試合+鹿島に制裁金、というパターンも考えたのですが、この線は薄いだろうと思います(ほとんどペナルティにならないので)。
最後に、どちらでもない(試合中止は不可抗力である)と判断した場合、第63条に従って0-0からの再試合となります。
どれになるか、というと、今後のことを考えると2番の鹿島に責を負わせる可能性が高いと思います。というのは、ピッチコンディションを保つインセンティブが低くなってしまうからです。ピッチの一部をわざと不良になりやすい状態にしておいて、雨の試合で負けそうになったらなんやかや言って中止させ、0-0からの再試合に持ち込むという手段が、理論上は取れるようになってしまいます。それは避けなければならない。と考えれば、今回のようなケースでの鹿島へのペナルティが必須であるためです。
というわけで、今回のケースでは試合成立という裁定が有力だと思ってます。
ただ、試合成立という結論はサポーターとしては納得しても、ルールにない今回だけの特例になるので、好ましくないと私は思います。本来であれば、、、
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試合不成立
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0-3で川崎の勝ち
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イエローカードや得点・出場は記録に残らない
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出場停止の消化はなし
が妥当でしょう。井川を浦和戦に使えなくなり、ジュニーニョの得点王にも不利なので、川崎には不利な結果になりますが、それは得失点差の1点で勘弁してよということで納得はしやすいし、特例も作らずに済むので、丸く収まる判断のはずです。
欲を言えば、1-3状況からの鹿島の責任で0-3相当の中止になったので、合計して1-6で川崎の勝ち、くらいにして欲しいところですが、そこまでやるとやりすぎだと感じてしまいます。