10人の緑と1人のピンク、ヴェルディのACL出場について妙なニュースや噂が流れている。ヴェルディは前回の天皇杯で優勝し、来年のACLに出場する権利を勝ち取った。
ところが現在、ヴェルディは降格圏内に低迷しており、J2降格を現実的な脅威として感じているところ。これに関して、J2の過密日程、そして2部リーグ所属のチームを日本のチャンピオンチームとして国際大会に出すのはどうかという話になってきている。
かわりにナビスコカップの優勝チームやJ1の2位に出場させるという案が浮上している。ナビスコ優勝は千葉。J1の2位はまだ決まっていないが川崎にも2位に食い込むチャンスがある。ネット上でも様々な意見が出ている。
この話に関する私の意見は以下の通りだ。
たとえJ2に降格しても、来年のACLにはヴェルディが出るべき。
こんな問題が起きる元凶は何か…と言われると、やはり2シーズン前の天皇杯の王者をACLに参加させるという理不尽さにある。1シーズンのブランクをつける理由がないし、強い2チームを参加させるならプロアマトーナメントの大会ではなくJ1リーグ戦の1位2位か、J1しか参加しないナビスコカップの勝者を翌シーズンのACLに参加させるというのが妥当だろう(ナビスコだとやはり降格している可能性も残るが)。
しかし2シーズン前の天皇杯勝者を参加させるということは決まっていたことだから、守ってもらわなければ困る。ヴェルディは権利を勝ち取った。奪うことはできない。
ヴェルディが勝ち取ったものは何なのか。天皇杯はアマチュアのチーム、高校や大学のサッカー部、地域リーグのクラブ、JFLのクラブ、Jリーグクラブ(J1とJ2)がごっちゃになって戦うトーナメント方式のカップ戦だ。つまり、J1が優勝するとは限らない。その優勝チームの権利なのだから、所属するリーグに左右されるのは理不尽というものだ。
一方で、勝利至上主義的な観点から、J2だと日程が過密だから勝てない、ということを問題視している人もいる。でもACLって勝つべき大会なのか? 今年ACLのグループリーグを2試合見に行ったけど、平日夜のスタジアムは正直盛り上がっているとは言えなかった。また今年のマリノスや磐田の日程を見ると、とてもACLが考慮されているとは思えない。ナビスコカップの予選免除で試合数は少なかったけど、実際は超過密日程と数週間の休養が交互に来るというありえない日程になっていたのだ(そのため今季のマリノスは低迷している)。J1でACLを考慮した*はず*の日程って、J2でACLを考慮しないであろう日程と大差ないよ。本当に勝つべき大会ならJ2の日程も変えればいいだけの話で。
そしてヴェルディともなるとJ2では強いだろうから、控え組中心で挑んでも勝てる相手もあるだろう。その点はJ1よりも楽かもしれない。1年での昇格を捨ててACLを狙うという思い切った策も考えられる。J1で残留を捨ててACLを狙うよりはやりやすいだろう(J2は降格がないため捨てても失なうものがない)。
まあでも、チェアマンがこれだけバルーンを出して反応を観測しているということからして、恐らく来季のACLはヴェルディが出るにしろ、今季の天皇杯覇者は再来年のACLに出ることはできませんね。来年のナビスコ勝者にするか来年のJ1の2位にするかは不明ですけど。
リーグ戦をおもしろくするということも考えると、リーグ優勝クラブと、優勝クラブ以外で後半戦最も勝ち点を稼いだクラブ(要は直近で勢いのあるクラブ)を参加させる、というのが最善ではないかと思うよ。
でも、何度も言うけど、来年はまだヴェルディが出るべきだよ。