生物と無生物のあいだ (福岡伸一)
分子生物学の勃興を振り返る本。著者はその真っ只中で、研究者として過ごした。その光と影。学者の世界を垣間見られる。
ラセンとかガン、タンパク質をカタカナで書くのはこれ系の人では共通しているのかな。タンパク質はそれほど違和感ないけど、外来語ではないよね。以前に「癌」をカタカナで書くのは怪しい素人、プロは漢字かひらがなだ! みたいなネット言説を見たことがあるが、やっぱデタラメじゃんw
もともとは校正の本に出てきた本で面白そうだと思って読むことにしたんだ。校正の本で議題に上がっていた冒頭のマンハッタンの観光船の話は確かに絵になる。
エイブリー、シャルガフ、ワトソン/クリック、マリス、シェーンハイマーを始めとして、あのシュレーディンガーまで出てくる。学術の歴史が紡ぐ、生命の神秘を辿る道。
いろいろ衝撃的な話も多かった。ポスドクも細胞内の分子も日々入れ替わっているんだなあ。そりゃ人生観も変わるわ。生物はみなテセウス…
それを語った上で、進めた研究のその先にある謎、我々がまだ到達できていないポイントについて述べていく。生物系の人はこういう感じで情緒を重視するんだろうか。本としては面白かったが、現段階がこう、という意味であって、これをもって結論をつけるには早いような気がする。