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山椒の実

ライト・スタッフ (山口恵以子)

はじめにロゴスがあり、光あれ、と。そういう話だろうな、たぶん。と思って読み始めたこの物語。

映画の全盛期に照明チームで奮闘する若者の人生を描く。光の速さで駆け抜けた人生。展開が早い。映画の構成を意識したのかな。ワンシーンごとに絵が思い浮かぶような書き方ではあった。

まあそれぞれ、モデルはいるんだろうねえ。私にはよく分からなかったが。あれはこれか、これはあれか、みたいに読んでもいいのかもしれない。疎い人には厳しいところ。

全体的には、説明的というか表面的な歴史の流れになっていて、心情描写とかは少ない。物足りないと思う読者も多いのではと思った。登場人物のキャラを作った割には。それもモデルとなる強烈な人物あればこそなのか。そこが分からないと楽しめないのか。