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山椒の実

ファクトフルネス (ハンス・ロスリング他)

間違った入力からは間違った出力しか生まれない。…つまり事実を正しく認識することが行動を正しくするための第一歩なんだよね。

私も世界の現状を理解したいと思っているのだが、多くの人は間違った認識を持って話している。どうやって事実にたどり着くのか。それが大きな問題の一つ。そしてバイアスがかかっている情報に接している自分自身によるバイアス。インターネット以前は他者のバイアスに重きがあったが、インターネット以後は自分のバイアスが大きな場所を占めるようになる傾向があるように思います。←これ自体も事実かどうかと言われると心もとないものがありますが。

で、公的なデータや著者たちが用いたクイズの結果(ノーベル賞受賞者やビジネスエリートも正答率でチンパンジーに勝てない)を使って、どのような本能が事実への到達を邪魔しているのかということを説明してくれる。

というように、なかなか良い本だった。実際マストバイでしょう。翻訳も非常に良くて読みやすい。特に印象的だったのは、「悪い」と「良くなっている」が両立するということ。全く、大事な概念だと思いましたね。4レベルの分類も、自分には新しかった。宗教にそれほど影響力がないという数字にも衝撃を受けた。

あとは、病院に来た同僚とやり合った時の話とか。奮闘する著者を見に来た同僚は病院に来た子供を全力で救うべきだと考えて全力を尽くす。しかし著者は事実を調べていき、より多くの子供を救う方法にたどり着く…。