Skip to main content

山椒の実

赤ちゃんの値段 (高倉 正樹)

割と凄い話。日本の子供が海外に売られていくという話なんでね。

問題はいろいろあるけど、一番大きいのは日本では養子という制度があまり発達していない。そのため施設が預かった子供は9割方独立するまで施設で過ごすことになる。それよりは養子で家庭に入ったほうが幸せに人生を送れるんじゃないかというところ。そのへん発達している国は普通に養子に出したり受け入れたりする。ジョブズとかも養子なわけだしね。

そんな中でわざわざ海外から子供を取り寄せるというのはどうなのか。自分の子供として育てるからには返せと言われたくないし、生みの親とのつながりを持っていてほしくないという気持ちはわかるし、海外からもらってくればそういうトラブルが起きる可能性が少なかろうというのは、まああるかな。ただこれって完全に養父母側の視点でしかなく、子供視点で考えれば長じて実父母を探したいとなったときに海外よりは国内のほうがいいんじゃないかな。日本なんて基本言葉通じないし。それに割と裕福な日本から海外に貰われていくというのはやっぱり違和感があるよね。これも結局は貰い手がいないのが一番の問題。

だが現実的に考えて自分がよその子供をもらってきて育てるかというと、私はもともとあんまり子供好きってわけではないので、たぶんそういうことはしないだろうな。

全体的な数としては海外に送られるのは微々たるものという感じがした。ただ政府が実態を把握してないという話もあり、そこは問題なんだろう。

で、どうするのがベストか、というとよく分かんないんだよね。一方でお金なくて子供作れないみたいな話があって、じゃあ養育費一部補助を出すから養子もらって育ててよ、みたいなのはありなのか、ナシなのか。養子制度を発達させるには、ある程度のインセンティブを与える必要があるだろう、とは思う。