Raspberry Piの電源改善

2020年夏。在宅勤務が続いたので、まずは自宅のネットワーク環境を改善しようとした。とりあえず無線LANの調子がよくなかったこともあり、有線に戻した。私物MBPと会社のMBPを有線に。今時のスイッチングハブと、細めで長さがちょうどいいケーブルを調達して、と。

ついでに自宅のRaspberry Piの環境を改善しようと思ったんです。別の部屋に隠してあったRaspberry Piのサーバを自室の棚に引き取って。このサーバにはバスパワーのHDDがついていて、負荷をかけると電源が足りなくなって、落ちる。MBPのバックアップ先でもあり、PDF変換サーバでもあり、githubに上げる前の書きかけソフトウェアのリポジトリサーバでもある。その重要性にも関わらずこの貧弱さはどうだ。見たら1Aまでしか供給できないUSB充電器が使われていた。そりゃ足らんよ。今までその充電器で戦ってたのね。せめてHDDはセルフパワーにしてあげないと。うーむ…

で、スイッチングハブをPoE対応のものにして、PoEで給電しようということになった。PoE対応のスイッチって今はそれほど高くなくて、普通にAmazonで買えるんです。規格が2種類あって、上位規格に対応してるやつはそこそこいい値段だったけど、相手がRaspberry Piだと思えば下位規格の物でも楽勝だ。1Aからすれば倍増どころじゃないぜ。

そしてRaspberry Pi側をPoE対応にする、みたいなググりかたをすると、まずPoE HATを買え、という与太話が出てくる。RasPiに入ったEthernetからもらってきてGPIOに入れて返すの? ややこしい機器だなぁ。しかも純正品は異常な値段。しょうがないので安めのパチモンを注文して中国から船便(?)で送られてきたけど、いざつないでみたら、私が持っているRaspberry PiはPoE HATに対応していないモデルだったのだった! そうかそう来たか。まあ、よかろう。

しかしこれ、よく考えると(考えるまでもなく)、Raspberry PiはUSB給電(私のは4BじゃないからmicroUSB)なんだから、PoEのスプリッタで出口がmicroUSBになってるやつを調達すればいいということに気づく。で、買ってつなげたら非常に快適な状態になった。電源は見るからに安定し、ケーブルも減って配線もスッキリ。何度バックアップを取っても途中で落ちない。しかもPoE HATの数倍安い買い物。なんだこの完璧な製品は…

安物PoEスプリッタのAmazonのレビューを見ると、電源に問題がある人がいたり、通信性能全然出ないって人もいた(問題なく使えてるって人もいた)ので、2個セットのやつを買った。個体差があっても、片方当たりならいいかな、っていう感じですね。4個セットと迷ったけど、そこまでひどくないだろうよ、と。まあ2個でもPoE HATの半額だったわけなんだけどさ。試してみたらどちらも当たりで、片方はRaspberry Pi用、片方は電話の充電とかにも流用している。こういう安物の悪評って、どうしても複数個買ってしまうから、むしろ売り上げ貢献にしかならない気がするよ。

通信性能はまあ、元々のRaspberry PiがGbEじゃなくて100MbpsでUSBチップ経由なこともあって、iperfで測定しても低下は全くなかった。安心しつつ、GbEのMBP同士でもPoEスプリッタ経由/直接のパターンで測定してみたけど、やはり性能低下はない。これはまさに…大勝利だ。電源性能は測定機器がないのだけど、RasPiは1A時代より明らかに安定してるから、比較に問題があるとしても、自分にとって悪くない性能は得られている。

注意点としては、スプリッタから出てるオスのネットワークコネクタはPoE非対応の機器側につなぐ。メスの方を普通のなんの変哲もないケーブルでPoE対応のスイッチのポートにつなぐ。逆にするとダメでした。

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