新製品品評会2005

2005年の新製品の品評会をやります。夢の製品があなたの元へ。

今すぐ欲しい次世代プリンタ。

プリンタの進化というのは、ラインプリンタからページプリンタに進んできたように思う。果たしてこれは正しい歩みだったのだろうか。インクジェットなども動作からするとラインプリンタなのだがページプリンタのようにしか使われない。なぜか。そのほうが便利だからか? なんか違うのかもしれないなと思った。正しいからではなくて、進んだものに世の中が合わせていて、進んでないものも進んだフリをしてなきゃ生きていけないってことなんじゃないか。

例えば、CPUはマルチコアが主流になると現代人は言う。それでも、以前は、やれ並列化すると遅くなるプログラムもあってとか、SMPになると遅くなるプログラムもあってどうとか、メモリを増やすと遅くなる環境もあってとか、CPUのクロックを上げると遅くなることもあるよとか、キャッシュも良し悪しがあるよねとか、そういう現象が観測されていたではないか。実際は今はSMPは普通に使うし、メモリは増えているし、CPUのクロックは上がるし、複雑な計算はクラスタ…やら何やら粒度や密度によって呼び方が変わるんだけど、そういうのを組んでやったりする。ハイパースレッディングもそう。あんまり性能上がらんしむしろ遅くなるしどうよって感じだけど、マルチコアで一部のリソースを過激に共有してるだけじゃんか。

これはやっぱり進んでしまったものに世の中が合わせて、クロックが上がると遅くなるようなプログラムは使われなくなり、メモリを増やすと遅くなるようなCPUは使われなくなり、並列度が出せないような計算には誰も見向きをしなくなってしまったからじゃないのか。ラインプリンタであり続けるほうが便利なときでさえ、何枚もページ単位で消費しているのと、構図は同じだ。本当は便利じゃないかもしれないのに、便利なフリをしていないと取り残される。

果たして便利になったのか便利になっていないのか。進んだ先にのみ答えがある。

そのことを踏まえて、次のプリンタはこうなる、という話をしよう。

ずばり、プリントアウトの前に必ず紙をスキャンするプリンタというのになると思う。これは非常に、欲しい。今すぐに欲しい。amazonで24時間以内に発送します、なら猛然とクリックですよ。

人が手で文字を書くとき、必ず紙を見てから書く。なぜなら、実際の紙には罫線があったり、大きさがあったり、色があったり、厚みや肌触りがあったりするからだ。紙を見ずに書くという行為はありえない。印刷というのは情報を紙(やそれに準ずるもの)に表現することだが、印刷するためにセットされた紙はすでに情報を持っている。だから、それを読み取ってからプリントアウトするほうが優れているのではないか。そのプリンタは紙の罫線に沿って文字を印刷したり、色合いによって印刷方法を変えてベストな結果を出すだろう。

文書の編集スタイルも変わるよね。今は例えばワードで文書を書くとするじゃない。LaTeXでもいいけど。基本的に現代の人がやっていることは、サイズ以外に情報を持たない白い紙を想定し、そこに情報を載せていく。最後に印刷。でも、本来の文房具はそうじゃない。

俺達の前には情報を持った紙があって、それに情報を追加して生きている。元々ある文書にメモを追加したり、チラシの裏にこんな文章を書いたりして。だからプリンタもそうなる。元ある紙の情報を見るようになる。今まで通り情報を(できるだけ)持たない紙に書きたいなら、単に白い紙を用意すればいい。あ、これ、後方互換性ね(笑)。そして、元の紙にメモを追加したいなら元の紙をセットする。

えーと、それでどんどん機能が追加されていくとすると、元の紙を切り抜きたいときのためのカッター装備。それで新聞とかセットするのね。綺麗に切れるよー! 紙が実は布だったら印刷というよりも刺繍のほうがいいなぁということでミシンも装備しとくか。コンクリートの壁とかセットされてきたらやっぱ、スプレーで印刷するのかなぁ(笑)。あとは消しゴムも装備するか。情報を加えるのと削除するのの両方がある必要がある。フィルタを書いて、手書き文字だけ検出してそこだけ削除してくれるとか、逆に活字だけ消すとか。昔xmms(Linuxでよく使われているMP3プレイヤーのソフト)のプラグインでvoice removalってのがあって、人の歌声だけ消せるフィルタプラグインがあったんだけど、それと似てるなぁ。

学校のテストとかもこれでできるようになるよね。今まではいろいろやらなきゃコンピュータでテストの解答など書けなかったけど、このプリンタがあれば、普通に解答欄を書いた紙を配れば、それを検出して解答を書き加えられるから。

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あと、おまけで最近思ったのが入力デバイスってまだ不便だよねぇという。でも解決はできるんじゃないかという気がしている。

手袋をしてPDAに文字を入力しようとしてうまくいかなかったことはないだろうか? 冬場は特にこれが困る。以前はデータグローブとか言って手袋型の入力デバイスがどうとか言われていたけど、今となっては手袋はデータ入力とは相容れない不倶戴天の敵となってしまった。手袋型の入力デバイスなんて最初から必要なかったのだ。人類は、手袋をしていても快適に入力できるデバイスが欲しかったわけ。

なんとかしてくれ。

なんとかしてくれたら、スキー用品売り場で売れます。…ていうかこの程度なら携帯の1本指入力みたいなので充分かも?

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