ふと気づいたがもう3月なのだな。今年は2月が1日多いと言っても週末は引き籠っていたしあまり実感がない。去年の春から日本はずっと桜が舞っていたような感じではあるが、本格的に季節が来るって感じがしてきた。もうちょっとしたら多摩川の土手に桜チェックに行かなければならない。あれは多かれ少なかれ日本人の心だ。
去年の桜の季節、私はちょうど入院しており、退院してみたらすでにいい感じの時期を少し過ぎた頃だった。あれから1年経つと思うと少し感慨深い。この1年というもの、まるで何かから逃げるように住所を転々としながら、細々と、まだ生きている。
とまあ、気合いで薄幸の美少女を気取ってみたけど、単に一度引っ越しただけか(笑)。だいたい3月に入院したってのも、4月だったら医療費の自己負担が2割から3割になっていたことを考え合わせるとセコい感もある。健康診断では肥満傾向が心配だったが何も引っ掛からなかったし。時が経つのは早い。
こないだ日経のコラムで2月から日が奪われていった過程という話があった。皇帝の名を月に冠することにしたのだが、その7月と8月が短かい月のわけにもいかないため、2月から日を奪っていった。しかし次の皇帝には節度があり、おべんちゃらを言う家来に「皇帝の数が13人になったらどうするのだ」と言い捨てて、自分の名前の月を作る風習をやめたという話。このお方に節度がなかったら暦は変わっていたはずだ。3月になった今でもまだ印象に残っているということは、けっこういい話だったのだろう。