いつか深い穴に落ちるまで (山野辺太郎)
日本とブラジルをつなぐ地球貫通トンネル。誰もが夢見る三大建造物。軌道エレベーター、ダイソン球、日伯トンネル、あと一つは? まあ宇宙ステーションは実現しちゃったからな。あれはあれですごいと思うよ。実現しちゃったがために評価が高まらないという側面があるんじゃないか。政治とかも何かと絡むしねえ。
それでだ。日伯トンネル掘ろうの会。そんな怪しい事業会社の広報担当として長年勤めた奇妙な人物が送る半生。ラストもすごい。さすが元水泳部。この変化球。良い小説だった。突き抜けている。この文体でここまで突き抜けるのかよ!
途中までの雰囲気としては先日読んだ刀の話に似てたんだけどね、クライマックスが段違いだった。若者二人の交錯する運命。二人って言ってもさ、一体全体、どの二人を選べばいいんだよ…主人公が老年に至るまで若者だったという点も私はプラスと捉える。
実際、この発想からこの小説が生まれるのは簡単な話ではないよね。瓢箪から駒というか…なかなかすごい作品だった。なんというか、すごい。独特のすごさ? 他に言葉が出てこない…ネタバレとか気にした方がいいのかな。それとも気にすることもないのかな。
という感じで、楽しい読書体験になった。まあ余韻とかはあんまりないし、心に残るかっていうとアレではあるけど、読んでる間は楽しかったよ。