Skip to main content

山椒の実

君の背中に見た夢は (外山薫)

第一回ノーベルタワマン文学賞があれば最有力候補の一人と目される著者が描く、おなじみ文京区その片隅で、小学校受験。まあ…青田買い? 囲い込み? そーゆー世界もあるんだね。この日本に。美しき日本の、光り輝く子供たち、そしてその親たち。小学校受験って選考の時期が10月とかだったんですね。知らなかった。

住居はタワマンではなく狭小建売住宅だった。共働きサラリーマン家庭(実家がほどよくボールドな慶應卒同士、エリート寄りのいわゆるパワーカップル?)に生まれた幼き秀才が見る恐竜の夢、その小さな背中に親が見る現実の夢。ランドセルより小さい背中に、より大きな人生を背負わせる。ある種の稚気じみた、狂気じみた。なんというか。

慶應ならでは? 早稲田にはない世界だよねー。怖いもの見たさで読むんだが。自分だって生まれた家によっては巻き込まれたかもしれない。土地柄というのもあって、人々が影響し合って生きているという事実を提示する。周りの影響ってでかいんだよなあ。物理的に通えるかどうかというのもあるけど、実際通えたところで周囲の人がそういう感じじゃなければ、自分も行こうと思わないもので。そもそも文京区に住んだ時点でもう子供の進学ルートを意識してるもんな。

たいていの人には幼稚園時代の記憶なんてないから(そうだよね? オレだけじゃないよね??)、その時点での選別が社会で重要視されることもある学の歴を決定するなんて、グロテスクでもある。本人の資質というよりも家庭の教育方針というか教育哲学が問われる世界。生まれと、育ちと。

中学受験は親も子も自我が葛藤し本人の学力の要素も半分くらいあるが、小学校受験はなあ。親まで面接するなんてどうかと思うし。受かったあとの経済的事情も問題になるしなあ。

大道寺がスゴかった。見極めもそうだが、育成能力が飛び抜けている。