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山椒の実

Category: Tokyo

息が詰まるようなこの場所で (外山薫)

おーし、みんな、息詰めてこーぜ!!

あの英傑・窓際三等兵さんが別名義で物理本だ。それがこの本、タワマン文学の金字塔。これはもう、事件ですよ。「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」と同時期に発売されて話題になったような気もする。

とある湾岸のタワマンを舞台に繰り広げられる群像劇。どこかコミカルで、どこか物悲しくて、というやつね。普通に生きる難易度が高くて。全員がそれぞれの地獄を生きながら、希望を見つける。子育てという正解のない作業の連続があり、格差社会を生きる大人にも心情がある。

私も普段はちょっとタワマンをバカにしているところはあるんだけど、土地代が異常に高くなって空間効率を求めると、ああなるんだよなぁ。地下掘ったら生活には向かないし工事も難しくなる。したがってスペースを上に求めることになる。狭小住宅か、タワマンか、長時間移動の不便か。いずれも天国ではない。

この部屋から東京タワーは永遠に見えない (麻布競馬場)

あの本ですね。Twitterのタワマン文学系というか、東京と慶應のすごい人ね。(←っていう紹介が合ってるかどうかはアレだけど)

熱心な読者でもないので、どれが書き下ろしかはよくわからない。前提知識がなくても楽しめるけど、紙の本にすると不自然さはあるかもね。段落の長さとか。

最後の方の東京の土地を毒舌で語り続けるところで唐突に自分の家の近所の話が出てきて笑ってしまった。慶應なら東急線で川崎市が出てきてもいいだろうと思ったんだけど、そこでオチに使うかな。俺たちのホームタウン、新丸子を。川向こうだと思ってバカにしやがってw