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果たして田中さんを救えるか

日本において、「苗字+さんづけ」で呼ばれることが一番少ないと思われる女性がいるようだが…。 田中の演説と人々の反応(yahoo.co.jp)。 それに対する田中の発言(yahoo.co.jp)。

日本や中国、韓国、オーストリア、イタリア、北朝鮮(?)等の国籍法は血統主義であり、父母のいずれかが日本人ならば日本国籍を認める。一方アメリカやカナダ、ブラジル、ペルー、イギリス、オーストラリア等は出生地主義で、生まれた場所が国内ならば国籍を認める。もし拉致された人が北朝鮮で帰化していれば親も子も日本人ではなくなるわけだが、田中の発言のように、親が日本人でなおかつ子が日本人でなくなるなんて状態にされてしまう法律は日本にはない(子が自分で日本国籍を放棄すれば別)。「国際法=アメリカの制度」という原則で田中が動いているとすればまあ、日本も出生地主義にしろよという意味にも取れないこともないが(それはそれで見識としてはありと思う)、単に知らない(外相まで務めたのに??)のをゴマ化してるだけなんじゃないのかな。あえて存在しない法律を楯にして正義ぶっても意味がない。あるいは田中としては北朝鮮で生まれたその子は申請されてないので外務省的に日本人として登録されてませんでしたね、というのを誤解したのではないか。

…二重に国籍が取れちゃった場合は自分で選択することもできたり、帰化するってのもあるけど、北朝鮮も血統主義だから生まれた時点では親が帰化してない限りは北朝鮮籍ではなくて、その後に子が北朝鮮に帰化してなければ日本人なんじゃないかと(たぶん)。実際彼らがどういう処理をしたのかは知らないのでこれ以上はなんとも言えない。

出生地主義というのは近代になって移民が中心となって発展した形態の国に多いように思う。移民ではなくて民族的に均一になった原住民が中心となって発展してる国は血統主義な感じ。

日本で言えば、出生地主義にすればまず在日朝鮮/韓国人や他の定住外国人とされる人々が日本国籍になる。彼らがそれを是とするかどうかはよく知らないが、日本に骨を埋めるつもりの人は日本国籍のほうがなにかと便利ではないかと思う。逆に、日本から外国に行って暮らしている人の子、例えばフジモリ元大統領のような日系人の子孫には日本国籍が与えられなくなる。移行するなら東アジアが一斉に出生地主義になるのがいいんじゃないかな。無国籍者が増えるのはあまり望ましくないでしょ。思想的なトレンドとしてはあまりその方向には向かってないようなので、帰化をやりやすくするのがせいぜいなんじゃないかと私は思う。

そもそも田中に関しては田中の言う「国際法」が何を指しているのかっていうのもある。もともと「国際法」は「法」がついている割に非常に曖昧な言葉だから何とでも言い訳はできるのだろうが…「出生地主義にすべし!」っていう条約とか宣言なんてあったかのお?

(追記) 2003-11-03 18:09 法務省の解釈(?)(kyodo.co.jp)を見つけた。なるほどそういうことか。