Skip to main content

山椒の実

Category: Song

放哉の本を読まずに孤独 (せきしろ)

どうせ読んでも孤独だろうが!

自由律俳句をもとにしたエッセイ集。かなり自由奔放に書き散らかしている。これがこの著者の本領か。楽しそうだなおい。郷愁の漂う、子供/学生時代の昔話みたいなのも多い。途中から中央線ポエムみたいになるのはどうかと思った。読む人を選ぶのでは? 私は中央線が実家で故郷だから、対象読者ど真ん中な可能性?

そして基本的に自分しか出てこない。他人が出てきたとして、無駄に他人に気を使って自問自答する自分という構図。これが孤独の側面だ。

世界で一番すばらしい俺 (工藤吉生)

短歌集。割と話題になっていた(宣伝?)ので買ってしまった。まあじっくり読んだほうがいいんだろうけど、サラサラっと読んでいき。

自分としては仙スタを描いたと思われる「スタジアムを漏れる光の…」と、続く「傘を振り落ちないしずくと…」の2首が良かった。むろん表題作も良いのだが。あと「キスをする距離のふたりが…」の歌も良かったな。

でもこれ、長文本人解説みたいなの、ないんすかね。あとがきだけ? なんか長文早口で語りたそうな歌が多いんだけどな〜

都々逸っていいなあ (小野圭之介)

俳句/川柳(575)や短歌(57577)と比べてマイナーな印象のある都々逸(7775)。現代都々逸の秀作を紹介していく本。愛だの恋だのシャレだのだけではなくて、現代都々逸はいろんな要素を入れてもいいらしいね。

こういうのに行く人はどうしても老人が多くなるようで、紹介されているのは非常にこう…ジジくさいものが多いんだけど、中にはいいものもあった。自分も作ってみようかな。

最近家族麻雀をやってるので、、、

リーチかけられツモられまして 待ちを見てみりゃドラ単騎

知られざる皇室外交 (西川 恵)

天皇が皇太子時代から含めて外国に赴いたり、あるいは客人をもてなしたりする。その中でどのように振る舞ってきたのか、ということを記した本。

まあこれ、すごい話ではあるよね。一人(皇后もだから二人か)の人間にそれをさせて、その上で成り立つものがある。常人にはとても真似できない。

あと、自分も節目節目で短歌でも作ろうって気になるよね。これからスポーツ観戦の感想とか本の感想を書くたびに短歌作るようにしようかな。

心ある人の心を知らぬまま これまで僕は生きてきた

偶然短歌 (いなにわ, せきしろ)

Wikipediaの文章を形態素解析して音節を組み合わせて5,7,5,7,7になっている部分を抜き出すプログラムを作った人がTwitterのbotを作ったりいろいろして話題になり、作家がついて本にしてくれた、という本。

私はTwitterの短歌を集めている「短歌なう」で偶然短歌を知ったんだけど、これ亜種もあって、Twitterでフォローするとツイートから俳句を検出してリプライを送ってくれるbotだとか、そういうのがある。実際私も最近は会社でchatBotを作って遊んでいたりして、Golangで有名な人が俳句検出プログラム(go-haiku)を公開していたのを見て自分のbotに組み込んで俳句を見つけたら返すようにしてみたり。音節数の数え方に異論はあろうが、go-haikuはなかなか優秀に動いている。引数で短歌にも対応できるしね。

歌に私は泣くだらう―妻・河野裕子闘病の十年 (永田 和宏)

歌人にして生物学者の著者が妻の闘病生活を描く。和歌を織り交ぜながら。日経のコラムかなんかに本人が書いてたのが、この本を借りてみた動機。一家で歌人だったんですね。私も我が子がポエムっぽい独特の表現方法を持っていると感じることがあるが、仮に将来ポエムで生きていきたいという話になったら…まあそのときは家族会議だわな。私には測定できない種類の才能。

なんというか、どう死ぬのがいいのかな、と読みながら思ったことであった。自分としては家族よりも先に死ぬだろうとなんとなく思っているので、残される状況というのはあまりピンとこないという要素もあり、先に死ぬ前提でシミュレーションだよね。耐えられる苦痛であれば顔に出さずに耐えてみせようし、耐えられない苦痛であればさっさと死にたい。結局はそれだけだ。