SFの短編集。割と優秀なやつだった。巡礼の話とか、あと昔のお話を織り交ぜた話とかも良かったな。飴のやつのほうね。江戸時代の怪談話をこねくり回すやつはあまり好きになれなかった。
全体的に、長さもちょうどいいし、出来もよかった。いいんじゃないかな、うん。
SFの短編集。割と優秀なやつだった。巡礼の話とか、あと昔のお話を織り交ぜた話とかも良かったな。飴のやつのほうね。江戸時代の怪談話をこねくり回すやつはあまり好きになれなかった。
全体的に、長さもちょうどいいし、出来もよかった。いいんじゃないかな、うん。
SFの短編集。タイトルに反して、ミステリではない。短編といってもかなりしっかり書き込まれていて、ねっとりじっくり読むことができる。少し古い時代で、みんなタバコを吸っている。現代なら、登場人物は理由なくタバコは吸わない。本作では登場人物のほぼ全員が喫煙者だ。
全体的には、道具立てを不条理SFにしただけで、内容自体はすごく内向きというか、登場人物の心理に偏った内容になる。そこは引っかかってしまうよね。独白多すぎでしょ、という。カフカっぽいというか。状況を説明しているようでいて説明していない、現実感の希薄な文章が続く。この作家も相当に孤独なんだろうな、なんて思ったりして。
前作の続き。
駅暦、構造遺伝界、エキナカ、自動改札、スイカ…この空気感が優秀だよね。大団円があるわけじゃなくて、静かに横浜駅の中で非人間的な世界が続いていく。
北海道のエージェントの名前もかなりいい響き。ハイクンテレケ、サマユンクル…
あとがきも良い出来だった。
宮沢賢治のアレを下敷きにしたSF長編。ジョバンニが最強の格闘家となって巨悪と戦う。鬼神・カムパネルラの運命はいかに? 果たしてラスボス・宮沢賢治を倒せるのか、それとも??
又三郎の登場エフェクトはあたかもキングエンジンの様相。彼もまた、強者なのだった。ブルカニロ博士…あんた一体!?
そんなわけあるか。そう言いたくなる展開が続いた。
不思議な人探しの物語。連作短編。第1話のインタビューのところがなかなかいい出来で、グッと引きつけられる。
問題はだ、手紙で、フリガナがあることだよ。青いインクの手書きの手紙。そこにフリガナふる? 人と書いてラヴ…この不自然さ。縦書きなの? 横書きなの? 気になってしょうがないよ。
転機になる、ヘミングウェイのやつが良かったな。あと高校生のやつもかなり良かった。
読んで思ったのは、無理にオチをつけなくてもいいのに。だった。どうしたって無理があるよねえ。まあ、これがストーリー的にメタな話になるのは、妥当なんだろうけど。
動画を映すレンズと、それにまつわる一族の物語を軸にして、Side AとSide Bの落差と、つながっていく過程が楽しめる小説。特に、Side Bのリアリティがいいね。まるで学術記事さながらだ。ちょっとした表現へのあこがれで「さながら」言いたいだけだが。文章はまさにプロだねえ。上手い。相当な達者と言えるだろう。
途中から様子がおかしくなっていくのがこういう、優秀なSFだよね。ABそれぞれで動く物語。ラストも淡々として、それでいてすごい。余韻がある。
ラドチ世界の別物語。前三部作の後くらいの時系列で、かなり遠方という設定で起きた出来事について。この世界ってどこも血族のつながりを大事にするという設定なんだな。
殺人事件は起きるけど、推理小説成分は少なかったな。まあ、ブレクの物語とはだいぶ離れていて、設定だけそのまま使った別の物語だ。これはこういうものだと思えば、十分楽しめる内容ではある。
共通する登場人物の一人や二人、出て来てもいいと思ったんだけどなー。前作で旅の人みたいな扱いの人物がいなかったから、無理か。
三部作。設定が生きる独特な描写。秩序から混沌へ。人称もそうだし、複数の視点がスムーズにつながっていく。最初のうちは読んでいてかなり混乱したけど、慣れてくると癖になる?
かなり広範囲にまたがり、文化的にも多種多様な人間という設定だけども、細かい仕草や礼節の扱い方、声色の違いで感情を伝えたり推測することができるという点は自然ではないんだよな。自然ではないんだけど、自然に感じるように文章が構成されている。そのへんも上手いんだろうな。
いいSF。逆関節ロボ。ロマンの塊のような存在。その逆関節の問題を物理で解決するやつがいるとは思わなかったな。構造上は、つま先立ちの長さ調節で解決できると思うんだけどな。人類の適応能力は凄まじい。SFだけど。
衝撃の展開が続き、続編への期待を持たせる部ごとのラスト、適切な分量の3部作。
インタビュー記録という構成も凝っていて、謎も作り込まれている感じ。退場すべきでない人が思いがけず退場していき、しかし物語は動いていく。一気に読めて、良い週末を過ごせた。
本に関する名作SFですね。新訳はどうなのか…まあ、詩のような感じで読みにくいのは間違いないな。現代の作家はこうは書かないだろう。読み手がついていけない。今となっては、自分もあんまり好きじゃない話では、あると思った。
現代のスマートフォン社会と分断インターネット・エコーチェンバー世界を予見していた? とも言える記述も流れている。
燃えない家、は良いなあと思った。火事というのは最も身近で、最も恐るべき脅威だ。地震雷火事親父のうち、地震は稀に起きる大災害、雷は室内なら怖くない、火事はとにかくやばい、親父(=自分)はクソ扱い…というね。