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山椒の実

Category: Science

青函トンネルから英仏海峡トンネルへ―地質・気質・文化の壁をこえて (持田 豊)

国鉄で青函トンネルを掘り、英仏海峡トンネルのアドバイザーも務めたトンネルの第一人者、持田さんが書いたトンネルの本。あまりに淡々と技術的な話を次々に書いていくのだが、それだけでも迫力はあるね。読ませる文章ではないが、中身が純粋に事実の積み重ねだからね。真実は伝説を超える。

前半は就職以来ずっと関わっていた青函トンネルの話。オヤジがお手製で作った潜水艦を使って調査する話とか、水平ボーリングの話とか、いろいろある。技術的な要素が次から次へと語られていくのは爽快感も感じる。値段が3倍になるセメントの話なんかはとても実感がこもっていた。まあ語り口はあまりにも淡々としすぎていて主張という部分に欠けるんだけどね。正直な感想を言えば…「無茶したね」という感じ。

ミトコンドリア・ミステリー 驚くべき細胞小器官の働き (林 純一)

代表的な細胞内小器官であるミトコンドリアに魅せられた研究者が、これまでの研究成果を一般向けにまとめた本。一線の研究者が研究内容について書いた本ですが、普通に書かれているので、あまり退屈せずに読めると思います。

10年以上前(2002年)に書かれた本なのでかなり古い話だろうと思うのだが、充分に興味深い内容。ミトコンドリアは酸素を使ってエネルギーを作り出してくれるのだが、元は現在の生物の祖先に取り込まれた生物だった、子供は母親のミトコンドリアを受け継ぐ、というくらいの知識はあった。ミトコンドリアはいろんな病気の原因という説をたびたび立てられていて、この著者はそれにまつわる様々な真実を明らかにしてきた。