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山椒の実

Category: Psychology

思考のトラップ (デイヴィッド・マクレイニー)

31,32,33のカタルシス、誤情報効果、同調あたりが印象的だった。

フラストレーションは無理に発散させないほうが消えやすい。そうだったのねー。台パンして何かが収まるわけではない。無意識に嘘の記憶を作ったり、権威に良心が負けたりする。

…というように、心理学上のいろいろな意外な挙動を説明していくのだが、似たような話も多くて、けっこう重複してるんじゃないかと思った。48は分類にしては多かった。しかし、自分の心ほど信用できないものもないね。

イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち (澤宮 優)

スポーツ選手を襲う魔病。医学用語ではなくゴルフ用語らしいね。思ってたよりも広くある症状だと。原因もはっきりしているわけではないし、治療法も確立されていない。

興味深かったのは、最後のあたりに出てきた1万時間理論のあたりか。どんなものでも上達するのは練習時間にして1万時間くらいで、それ以上はやっても効果がない。それで練習は上達のためでなくコンディション調整に徹することでイップスのようなものを避けると。

ゲーマーとかもイップスなるのかな? マリカーでドリフトできなくなるとか…スプラでハイプレ打てなくなるとか。私もコード書きイップスになっても不思議はないな。突然printf書けなくなるの。まじで恐怖でしかない。防ぐには、いろんな環境、いろんな言語でコードを書くと。あーでも、コードよりも、こういう駄文を書けなくなるのが一番つらいかも。

期待の科学 悪い予感はなぜ当たるのか (クリス・バーディック)

プラシーボみたいな現象を説明する書。心理の生み出す魔をどう使えば人類の幸福につながるのかな?

サッカーのPK戦やバスケのFTから始まって、様々な実験、検証について紹介しながら話は進む。こないだの幻肢の話も出てくる。なかなか興味深い話だ。なかなかの力作と感じられる。

現在華やかなりしAI分野も、こういった心理の魔といった類の分野に手を出すようになるまであと何年かかるかな? 現実の脳の働きというのは思ったよりも複雑だな、という印象は強くなった。