Skip to main content

山椒の実

Category: Netouyo

正義を振りかざす「極端な人」の正体 (山口真一)

高校から大学にかけての時代、私は中庸でありたいと思っていた。今でもそう思ってる。この単語は「凡庸」と混同している人も多いのだが。本来の意味は、偏らないこと、そして変わらないこと。それを保てなくなることをこそ、私は恐れるのだ。自らの老いにより判断力は日に日に鈍り、ネットの気を利かせたお節介なパーソナライズにより受け取る情報は偏っていく。それに抗うために、この本から何らかの示唆が得られるかどうか。

別に応援してるスポーツのチームの情報をパーソナライズしてくれるのはいいんですよ。今は競技で括るような雑なカテゴライズじゃなくて、チームで見てくれるし。ただ、時事問題みたいなものはもっと広く知っておきたいわけよ。いろんな意見と対立軸、論点を押さえておきたいと。

私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏 (永江朗)

ヘイト本対策委員会、みたいな本。ヘイト本というのは何だろう、ネットから拾ってきた言説で中国とか韓国を叩くだけの、内容のない本ね。ネトウヨ向け? 割とよくある。確かに世の中の本屋で並んでいる光景を見たことがあって、誰が買ってるんだろうと思ってた。ネトウヨは実は読書習慣がある人が少なくて、むしろ老人男性がよく買っているらしいよ。で、国内の老人男性は偏った尊皇攘夷? 思想化が進んでいる。あいつらなぜか反米ではないんだよな不思議と。かつて祖国を占領し今も陽に陰に支配下に置いているというのに。屈辱感じねーの? こないだ読んだ日本マンセーみたいなノリの気持ちの悪い本もこの範疇にある。

ハーバードでいちばん人気の国・日本 (佐藤 智恵)

近年、割と「日本スゴイすぎる」みたいな気持ち悪い本や言説がはびこっていて、まあこれも、だいぶ気持ち悪い本なんだろうなという思いはあったよ。でも読む気になったのは、ハーバード。日本は別にいいんだよ。ハーバードでは何をどう学んでいるのか。その情報を手軽に読めるかと思ってね。ひとつひとつのエピソードは割とどうでもいいし、一番人気というのはもちろん誇張で、一番ではない。当然だが。

ハーバードのようなリーダーになるべき人間を集めてリーダー論を学ばせる場所では、ケーススタディに関してもリーダーの立場でどうするか、というところに力点が置かれるようだ。例えば我々も歴史で関ヶ原を学ぶよね。ただ、そうだったのか、そういう流れだったのか、というのを理解するんだけど、彼らは違っている。自分が家康だったらどう決断したか、自分が三成だったらどう決断すべきだったか、ということを考えるのだ。まあこの本に関ヶ原が出てくるわけではないですが。俺はあそこで小早川に鉄砲をブッ込めるのか? 逆にそれで敵対して襲われたら確実に負けるわけだぜ。