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山椒の実

Category: Money

親の家を売る。 (永峰英太郎)

相続した家を売った自分の体験をもとに、割と網羅的に必要事項を丁寧に説明した本。まあ、参考にはなるね。なるけどね。

幸か不幸か、自分も相続の処理をしたことがありますけど、なんだかんだで、カネを残すのが一番っすよね。面倒がない。

しかしですね、上場もしてない/電子化されてない変な端株だの、騙されて買った山林(しかも登記の処理を複数代に渡ってしていない!)だの…もう無視するしかないよ、こんなの。義務化は知ってるけどさ、何人の先祖の生まれてから死ぬまでの戸籍謄本を集めなきゃいけないんだっての。2人でも大変だったんだからさ。郵便局に通っては定額小為替を買ったり送ったり、コンビニコピー、封筒に詰めて、返ってきた謄本を読み解いて次の送り先を調べて…

みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 (日経コンピュータ)

当時たいへん話題になっていた、MINORIの本。魔境ですね。ハラハラドキドキ、ワクワクが止まりませんね。

みずほに送られてた人っていうエンジニアも見たことがありますけどね。規模を考えると、この業界でみずほのアレと関わったことがある人を一度も見ない、ってのが逆に珍しいのかもね。まあ、思い出したくないっていう雰囲気は感じましたが。みずほ帰りの男は自分からそうとは言わないもので。

なぜそこまで難易度の高い仕事になってしまうのか。コンウェイの法則を顧みるまでもなく、組織の編成がおかしいんじゃないか? という推測は当然出てくるわけだが…そしてその問題点が改善されたという記述はこの本にはなかった。

スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件 440億円の借金帳消しを勝ち取った男たち (木下英治)

最近の話だけど、なかなかすごい話だったよ。

「悪の平行四辺形」…すごいなこの言葉を考えたやつは。四角形でも台形でも菱形でもなく、平行四辺形というセンスが良い。「不動産屋はたいがい悪人」つまり「悪そうなやつはだいたい不動産屋」?

この本は弁護士側のライターが書いたようだけど、主人公となるリーダーの人も自ら本を書いてるみたいですね。そっちを読めばよかったかな。

不動産投資は会社とかによく電話がかかってきてたやつの一味ですよね。都内のワンルームの話が多かったかな。私の頃は日本プロパティとかニッテイ(日経と聴き間違える)とかが多かった記憶が。私は不動産投資には興味がなかったなあ。自宅のためのローンなら組んだが。

私の財産告白 (本田静六)

明治・大正の時期に活躍した農林系の大人物が自分の財産形成を振り返って一般論に落とし込んだ本。割と名著ですね。

基本はしっかりしている。「給料の一部を使わずに生活を続けていれば金は貯まる」。ここまでは誰でも実現できる話。そのはず。その上で、貯まったら分散投資していく。そこでリスクとリターンの見合いを推し量る力量は必要になる。

仕事を趣味にしろ、みたいな話が根底にある。決して仕事をしないで遊んで暮らそうとか、仕事が大事でカネはどうでもいい、ではない。楽しめる仕事をしながらカネも貯めようよと。で、生涯勉強ね。まあそんだけではないんだけど、知的好奇心の探求、物質的な満足。それは理想の人生だ。最後はスッパリと匿名寄付してしまうのもカッコいい。