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山椒の実

Category: Microsoft

世界一流エンジニアの思考法 (牛尾剛)

マイクロソフトのAzureのチームにいるエンジニアが、同僚のすごい奴らの仕事の進め方を語った本。ナデラの本を思い出しながら読むことに。マインドセットマインドセットうるさいんじゃー

この人のところでは2週間スプリントか。私のとこだと1週間ですね。2週間でやってた頃もあったけど、1週間に慣れると2wは考えづらくなる。1wを5dと決めた奴が凄いな。正確に言えば7dで2d休か。

最後の方は人生訓みたいな話になったが、まあそうだよね、というレベルの話が多かった。自分の職場を考えると、そんなに悪くないんだよな。前のところはかなり当てはまったが。あそこは今はどうなってるんだろうな。職場を移って10年くらい経つけど、あんまり変わってないんじゃないかな。

Hit Refresh マイクロソフト再興とテクノロジーの未来 (サティア・ナデラ)

マイクロソフトの3代目CEO、ナデラによる本。当然忙しかろうから、共著の形。文章はライターが書いたんだろう。いいライターを雇ったね。とても良い読書体験(リーディングエクスペリエンス)だったと思う。

MSは彼の就任以降、技術的な対外姿勢においてかなりの改善を見せていて、カルチャーが良い方に振れたという印象がある。だからこの本にも説得力がある。自分の存在理由は何か。なんのために生まれ、生きるのか?

MSは「すべての人、すべてのデスクにパソコンを」という設立理念を早々と達成してしまった会社。我々計算機エンジニアにとってすでに自然物のような扱いになっている。では現在のMSの存在理由は? それをナデラは君に語りかける。ナデラの人生と、社員や顧客の人生。マインドセット。何が大切なことなのか。

テクノロジーは貧困を救わない (外山 健太郎)

マイクロソフトのインド研で働いてテクノロジーと教育について考えた本。文章が多い。その割には言いたいことは最初の数ページで終わっている気がするのだが。で、このタイトルよ。私はテクノロジーの信者ですからね。テクノロジー以外のものが貧困を救えるとでもいうのか。と思って読み始めたのだけど、、、

テクノロジーは色々なものを増幅させる。勤勉を、怠惰を、快楽を、苦悩を。かなり納得のいく論だった。基本、手綱を握るのは人間であって、テクノロジーはそれを効率化させるための手段に過ぎないのだよ。言いたいことは単純なものであって、それだけにいろんな実例や考察を加えないと説得力が薄くなることは事実。それにしても文章が多かったね。後半はさすがに流し読みだった。

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった (ジョン・ウッド)

まさに本の中の本、とはこのことか。あのスティーブ・バルマーが社会貢献活動に目覚めたらどうなるだろうか…そんな思考実験をするまでもなく、それはこんな感じになるだろう。なんとバルマーの弟子が実際にやってんだよ。

これは本との接点が持てずにいる途上国の子供達のために、図書館を建て続けた男の闘争に関する自伝。元々はマイクロソフトの上級幹部で、バルマーに怒鳴られる日常に疲れ、しかし心酔しつつも、現実に気づき、目覚める。その目覚めは衝撃的だ。ネパールの旅路で誘われて赴いた学校とその図書館。これまで旅人が置いていった、明らかに子供向けではない数少ない本(=難しく長ったらしくて大人の時間つぶしには良い類の本)。しかし希少なものなので鍵をかけられて子供たちが触れることはできない状況。つまりロクな本がなくて、ロクでもない本にすら触れられないのだ。これではどうにもならない。私も思うのだが、書籍こそが知の集積であって、子供時代に書籍に触れられないで立派な大人に育つのは難しい。かくして途上国と先進国の差は開き続けるのだ。現実。そして本を持って戻ってくると約束し、本を集め、それを実行した。実行し続けた。寝る間も惜しみ、カネを集め、そして実行する。

ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト(ポール・アレン)

マイクロソフトの共同創設者、ポール・アレンの自伝。ビル・ゲイツを説き伏せてマイクロソフトを作り、仲違いして追われ、しかし巨万の富で充実した人生を送っている。ああ、仲違いと言っても今は普通に和解しているそうです。まさしく「金持ちケンカせず」ですな。

当時のことはいろいろ言われている。IBMやCP/Mのあたりとかね。この本は当事者としては申し分のない人が書いているから、かなり真実に近いんだろう。そしてマイクロソフトがなぜここまで大きくなったのか? それは技術的にも計算機の発展的にも必然だったということが丁寧に説明されている。要は自分がそれを見通したのだ、という自慢ですね。