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山椒の実

Category: India

レンタルチャイルド (石井光太)

インドの貧民の話。実際この本を読むのは2度目でしたが、相変わらず圧倒されました。目まぐるしく発展していくインドのムンバイを舞台に底辺の人々が、生きるために戦う。乞食、売春婦、ギャング、青年ギャング、ヒジュラ…全員が弱者で、それぞれ憎しみ、争い、食い合う。誰も得しないよこれ…

表主人公の少年乞食のリーダー、裏主人公のガイド。少年はリーダーとして慕われていたがギャングになったり、また仲間のために乞食リーダーに戻ったりしてムンバイでもがき続ける。ガイドは乞食にも見下される底辺中の底辺の立場から、自分の力で、自分だけで這い上がっていく。救いのないリアルな話の連続の中で、このガイドの這い上がりだけが希望か。

今日ヤバイ屋台に行ってきた (坪和寛久)

YouTubeの人気チャンネルで、私もよく見ていた『今日ヤバイ奴に会った』の人の初の著書。動画やインドや自分の人生の一部についての文章がある。

実際コロナで世界がヤバいことになってから見る頻度が減っていたんだが、本が出たらまあ、買うよね。カーンさんのこととか、あの謎のドジっ子お姉さんの店とかも載っている。ただこの本は動画の面白さには勝てないかなー。一応チャンネルの説明をしておくと、インドの屋台の動画を出してくれているチャンネルね。まあ、料理動画の一種よ。パンを自作してた頃は、このBGMを頭の中で鳴り響かせながらこねていたなー。

テクノロジーは貧困を救わない (外山 健太郎)

マイクロソフトのインド研で働いてテクノロジーと教育について考えた本。文章が多い。その割には言いたいことは最初の数ページで終わっている気がするのだが。で、このタイトルよ。私はテクノロジーの信者ですからね。テクノロジー以外のものが貧困を救えるとでもいうのか。と思って読み始めたのだけど、、、

テクノロジーは色々なものを増幅させる。勤勉を、怠惰を、快楽を、苦悩を。かなり納得のいく論だった。基本、手綱を握るのは人間であって、テクノロジーはそれを効率化させるための手段に過ぎないのだよ。言いたいことは単純なものであって、それだけにいろんな実例や考察を加えないと説得力が薄くなることは事実。それにしても文章が多かったね。後半はさすがに流し読みだった。