インドの貧民の話。実際この本を読むのは2度目でしたが、相変わらず圧倒されました。目まぐるしく発展していくインドのムンバイを舞台に底辺の人々が、生きるために戦う。乞食、売春婦、ギャング、青年ギャング、ヒジュラ…全員が弱者で、それぞれ憎しみ、争い、食い合う。誰も得しないよこれ…
表主人公の少年乞食のリーダー、裏主人公のガイド。少年はリーダーとして慕われていたがギャングになったり、また仲間のために乞食リーダーに戻ったりしてムンバイでもがき続ける。ガイドは乞食にも見下される底辺中の底辺の立場から、自分の力で、自分だけで這い上がっていく。救いのないリアルな話の連続の中で、このガイドの這い上がりだけが希望か。