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山椒の実

Category: History

内乱記 (ユリウス・カエサル)

名著「ガリア戦記」の続編。まあオマケみたいな扱いだが、ガリア戦記の素晴らしさと比べるとだいぶ落ちる。翻訳も「新訳 ガリア戦記」と比べると良くなかった。

なぜ落ちるかというと、内乱だけに激戦が少なく簡単に投降してきたり裏切りが多く、爽やかさが全くない。あと敵対勢力のほころびを大きく言い過ぎていて、有り体に言えばバカにしすぎていて、ガリア戦記で見せた冷静な目がなくなっている。ガリア戦記を読んだ後はこれ、後世の書物はいらないんじゃないかとさえ思えたけど、内乱記を読んだら、もうちょっとうまく書いた本がないとダメだよな、と思えてくる。カエサルも筆力が衰えたんだな。いろいろ都合もあるんだろうけどね。

新訳 ガリア戦記 (ユリウス・カエサル)

あのカエサル本人が書いたベストセラー。ローマの英雄ね。淡々と平易な文章でガリア戦争の経緯を書いている。勝ち戦も負け戦も、感情や自慢をなるべく交えずに1段上から書いており、非常に良い。わかりにくいのは人名くらいで、臨場感があって読みやすいのもいい。カエサルがこんな本書いてたなんて。これからはシーザーサラダももっと味わって食おう。

司馬遷の「史記」もそうだけど、現代の小説や歴史書と読み比べても、読み物として優れており、俺達は一体2000年以上も何をやってたんだと思わなくもない。紀元前にこれをすでにやってたわけだ。ほんと、進歩してないよね。