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山椒の実

Category: History

GOEMON

いやー面白かった。中世歴史改変SF? というジャンルでいいのかな?? その辺はよくわからないけども、アクションもいいし。ちょっと安っぽいと感じる風景もあったが、十分にかっこいい。

問題があるとしたら、「人が死にすぎ」という点かなー。登場人物もほぼ全員死亡、モブも大量死…挙句、最後にあんなこと言うのかよと。

TN君の伝記 (なだいなだ)

明治の自由民権運動の思想家の人の伝記。社会の教科書に出てくるような名前の人ではあるが、名前じゃなくて事績に注目して欲しいため、匿名になっている。ただし図書館によるタグづけは無慈悲だった。隠したいわけではなくて、邪魔になるから書かないことにした、という話なので、ネタバレと言うほどのことではないか。

文章は子供向けだが読み応えはある。濃い人生を送ってたんだなあ。

なかなかに興味深いものがあった。当時の空気みたいなのが感じられる。一筋縄では行かない、日本の民主主義の成り立ち。歴史の裏側みたいなね。表の歴史はなんとなく学習してきたんだけど、こういう人物の歴史の方が面白いもので。史記の列伝みたいな。

5つの戦争から読みとく日本近現代史 (山崎雅弘)

日本の明治以降の戦争の背景について解説した本。日本側の視点と、世界からの視点を比べた総合的な解説で、学生時代の教育の過程で蔑ろにされてきた近代史について教養を貯めるにはちょうどいい感じがするな。この種の本の1冊目に読む本としては悪くない選択になるだろう。

衝撃的な内容があるわけでもなく淡々とした解説が続くので、眠くなるかもね。自分は正直、中盤は眠くなった。しかしまあ、日本ってのはこの頃はまったく戦闘民族だったんだな。チャンスさえあれば誰にでも噛み付くっていうね。

大名格差 江戸三百藩のリアル (安藤優一郎)

江戸時代の大名間の格差についての解説本。ランクがかなりはっきりしていたらしい。ふーん…と、実感なしに豆知識が増えていく。非常にこう、なんというか、、、めんどくさい世界だったんだな。

長く続けていくことばかりが目的化すると、こういう儀礼みたいなものが重視されてしまうんだろうな。現代は実利が全ての世の中になっているので、儀礼は貶められ、どんどんなくなっていく。それに抗うことはできないのだ。

ユニコード戦記 文字符号の国際標準化バトル (小林龍生)

ユニコードの標準化の前線で頑張っていた人の話。小学館の編集者からジャストシステムに移って、ユニコードコンソーシアムへ。

すごい話が多かったな。異体字セレクタのところはこの人の仕事みたいですね。今ではユニコードは絵文字も取り入れたりしてますが、そこでも異体字セレクタはかなり活躍している感じがあるよね。

こいつの副作用? だと思いますが、環境によっては濁点が2文字扱いになって、濁点のひらがなを書いてからbackspaceを押すと濁点だけ消えるという状態になったことがあります。MacとかPDFとかで顕著だった気が。これはこれで便利だったりするのかなと悩んだりもしました。慣れるべきか、慣れられるワケがないのか。あと中華フォント問題とかね。中華フォント問題はエンコードとは関係ない? 話だけど。

諸葛孔明対卑弥呼 (町井登志夫)

例の「爆撃聖徳太子」の人の出世作(?)。同時代人が戦う。日本人にとっては夢の対決。躍動感がすごい。SF要素が強いかな。SF的な考証がなかなか楽しい。なるほどー、そういう解釈ならありうるなー! みたいな。

というわけで、かなりスペクタクルに楽しめた本だった。こういう趣の物語って、いろいろあるよね。源義経=ジンギスカン説とかさ。そういや長嶋茂雄=源義経=ジンギスカンだったという時代考証放棄の凄いやつも、若い頃に読んだことがあったなー。歴史SFはこういうのだから。

闇に魅入られた科学者たち 人体実験は何を生んだのか (NHK「フランケンシュタインの誘惑」制作班)

NHKの番組の内容を書籍化したもの。だけど、すごい本だった。こういうのがあると別にNHKから救われなくてもいいよなーなんて思ったりする。そういや一人暮らし時代はNHKと契約してなかった日々が長かった。最後の方に地デジになった時にやっと契約したんだったかなw だって当時ってスカパー! 以外ほとんど見てなかった頃だもん。今はDAZNとYouTubeとAbema? 地上波/BSは家族がよく見てるから、いいけど。

爆撃 聖徳太子 (町井登志夫)

聡耳のあいつ・聖徳太子と小野妹子が飛鳥を、高句麗を、そして隋を駆ける。世界を股にかけて暴れ回る痛快活劇…非常にバカっぽいけど楽しめた。娯楽。

戦う相手は史上最低を争う隋の煬帝だからなあ。一応今は賛否両論あるのか。強大極まりない帝国をあっさり自滅させた暗愚な皇帝だということが知れ渡っているから、読んでて戦力差も気にならないな。

唐突(でもないんだけど)に出てくる十七条憲法で機先を制する技(?)には感心した。

会計の世界史 (田中靖浩)

会社の会計の歴史を物語を交えて総覧する本。割といい本を読んだなというのが感想。感動とは遠いが、十分重厚なテーマを十分ライトに語る。そのギャップもいい。

読みやすい文章で世界の経済と文化の歴史が語られていて、まあ単純化されすぎている面はあるのだろうけど、記憶に残りやすいし、悪くないと感じた。ダ・ヴィンチからビートルズまで。技術の進歩、文化の進歩、会計技術の進歩。その全てが人類の歩みを助けたワケだよ。時代と、地理ね。それが世界観というか、世界を認識させてくれるというか。大袈裟に言えば、「目が開いた」って感じがする。それが読書の快感というものだよね。

11の国のアメリカ史 分断と相克の400年 (コリン・ウッダード)

アメリカの建国神話の新説? 新説なのかどうかはよくわからないが…割と楽しく(?)読めた。

高校生の頃に(子供向けの)アメリカの歴史の本を読むという英語の授業があった。自分にとっては割と難しかったんだけど、そこで大体どういう建国のされ方をしたかというのを知った。だいたいね。なぜかピンポイントで「プエブロ」という単語を覚えているのはそのせいだ。逆に世界史の一部でアメリカ史を習った記憶はないんだよね。まー私立の付属校だったから、カリキュラムが標準からは外れてたみたいで。