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山椒の実

Category: Games

ファミコンの驚くべき発想力 (松浦健一郎, 司ゆき)

ファミコンについて語る本。ハードの特徴から始まって、そのハードで戦うためのソフトの作り。当然だが、今考えると凄い世界だよね。計算機の技術が進んで、いい世の中になったものだよ。開発者にとっても、利用者にとっても。

内容は昔の計算機に明るくない人でもわかるように書いてある。実際に対象読者に理解できるかどうかは不明だが、変なことは書いてないように思えた。

自分のことを言えば、小学生時代にFamilyBasicに触れたことが今の仕事(ソフトウェアの開発者)に進む最初のきっかけになった。そのため、この本の内容にはいろいろと懐かしく思う部分が多かった。

僕らはまだ旅の途中 (NIRU)

ゲーム動画配信の人気ストリーマーNIRUの、ぼんやりとした自分語りの本。

あーごめんなさい、実はこの人の動画は見たことないんです。家族がこの人の動画が好きみたいで、本を買ったのを横から読んだ。なるほど。

特に感動することもないし、説教臭くもない。素直な言葉が素直に並んだ感じ。物議を醸すような内容は皆無で、読んでて全く不快感がない。さすが炎上対策で訓練されてるストリーマーと言ったところか。

素直な感想としては、自分もこういう文章書いてみたいなーと思った。つまり、「まだスプリントプランニングの途中です」「普通レベルのサラリーマンエンジニアwtnb75の神commitの原点」みたいな。で、子供の頃から若い頃の一人旅の話とか、送ってきた短い人生を振り返りながらぼんやり語るという。

ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち (吉川徹)

児童精神科医による現代の病? についての解説。あまり知見も確立していない分野であることもあり、いろいろなことが羅列されてとっ散らかった印象。つまみ食いして読むことを前提としているのかも?

それでも、大事なことは見えてくる。自分を省みて、考え直させてくれる内容もあった。

最近書かれた本なので、最近の話題にも触れられている。COVID-19の影響であつ森が流行ったとか、そういうの。

自分の子供もゲームは大好きだし、親としてはやりすぎは気になるところ。そもそも子供は約束を守れないものであるという話には感銘を受けた。実際うちでも守れていないが、それに対する怒りは感じる必要のないものだった。男子なら約束したことは実行されたも同然、という感覚があるんだけど、それは大人の男に限定の話だった。…男だの女だの言うと最近は良くないのかな?

ソードアートオンライン3-4 フェアリィ・ダンス (川原礫)

終わってなかった、というところから始まる、続編。まーこれ、どーかなー?

内容はまあ、悪くはないかもしれんが、早くもこのシリーズを読み進めるのはやめようかと思い始めている。「通して読んでみようとは思った」なんて書いといたそばからいきなりゴメンだけど。なんつーか、まともな新キャラが美少女だけ、しかも全員主人公に恋心を抱くっていうのがついていけねえなと。そういうのじゃねーんだよな、と。ニーズの違い。シンプルに、ハードボイルド路線に行けばいいのに…。現実とその裏返しである仮想、それぞれの人間関係というアングルはいいんだけどさ。主人公も雑に初期能力が高すぎてどうかと思うところではある。

ソードアートオンライン1-2 アインクラッド (川原礫)

自分が好む犯罪者ドキュメンタリー系の本を小学生の目に触れさせないようにと思って借りた次の本は、ラノベの金字塔。

オンラインゲームの世界に閉じ込められた人々が、脱出を目指して長い戦いを続けるのだが…まあ、これがラノベなんだろうな。1巻は割と楽しめた。設定に引っ張られてたのかな。2巻はちょっとどうかと思えたが、設定の回収で物語を伸ばしたって感じ?

それで、戦いを終えた主人公が現実世界に戻ってくる描写があるんだけど、私は実生活で気づいたことがある。それは、2年間頭髪をカットせずにいると、どのくらい伸びるのかという話。私がアタッチメントなしのバリカンで削った五厘刈りの状態からクッソロン毛になるまでにかかった時間が、まさに2年だ。一度も断髪せずに。今となってはヘアゴムなしでは過ごせない。現実世界に戻った瞬間の人物に関して、筋力の衰えなどは描写があったが、頭髪やヒゲだって気になるどころの話じゃなくなってると思うんだ。

勝負論 ウメハラの流儀 (梅原大吾)

数々の伝説に彩られた格ゲーの主人公、先駆者であり思想家でもあるプロゲーマーのウメハラ(Daigo)が世に問う。「勝つこと」とは? そして「勝ち続けること」とは?

もし今、就職活動をしていて面接で聞かれたら尊敬する人は「ウメハラ」これ一択ですね。そのくらい、ここ数年で最大の名著でした。スゴい。第1章からすっと腹に落ちてくる。あなたに子供や後輩がいたらこの本を読んでもらいたいと思うでしょう。

やっぱ本物の男が紡ぎだす文章ってのは、普通のそこらの自己啓発本なんかとは違う。これは永遠に成長をやめない本物の先駆者・トップ選手であり続けた男が書いた論理的な本なんだよ。二流のスポーツ選手が自伝をゴーストライターに書いてもらってなぜか著者に名前が入っているようなクソ本とかとは重みが違うんだよ! これだけの人生を送っても醒めている。夢を追いながら、覚醒している。覚醒してなお、夢のようなことをやってのける。

東大卒プロゲーマー (ときど)

格ゲーの達人・プロであるときどがその半生をつづる。先日劇的な優勝を飾ったらしく、話題にもなりました。私は格ゲーは嗜まないんですけど、読んでみた。

なかなか良かった。情熱ね。自分に情熱は足りているか、子供たちはどうだ、と思いを馳せる。ウメハラの本も読みたくなったよ。まあ本人が言うように周りの人に恵まれたというのもあるんだろうけど、この人は能力が高いんだよね。

ある事件で研究者に情熱を持てなくなって大学院を去るところは残念に思った。それなりに優秀で情熱を持って成果を上げたが、研究ではなく試験で蹴落とされたっていうね。院試ってのがあるんですね。私は早稲田ですが同じ研究室に上がるときは試験というのはなくて、学部の成績で落とされたり、合わなくて移籍することはあったかもしれないけど、普通はフリーパスでした。東大は確かに院試があるって話は聞きましたね。

ボクはファミコンが欲しかったのに (岐部 昌幸)

おっさんホイホイ小説かな。昭和の小学生の日常を描く。まあ好き嫌いは別れるかもしれない。私はちょっと居心地が悪いというかなんというか…まあ我々はなんだかんだでファミコン世代だからね。いいよね8ビット時代。著者はこれ、セガ派か。セガ派ってのは曲者が多くてね。大学の同期にもセガが好きなゲーマーで、そのままセガに就職した奴もいたなぁ。いまどうしてんだろ。

今の子はDSか。スマホか。うちはまだ買い与えてません。ゲームやるなら同じゲームをおれもやりたいと思っている。軽くひねってコテンパンにしてやるってんだよ。