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山椒の実

Category: Food

賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか (井出留美)

食品廃棄の問題に取り組む人の本。いろいろなことがあるんですね。フードバンクの話とか、どういう構造で廃棄が起きるのか、どう改善したか、すべきかと。気づきは多かった。私はあまり知らなかった。家庭からの廃棄も多いという話や、京都の話はずいぶん参考になった。あと教科書の話とかも。

小売店の場合、賞味期限で廃棄されるのではなく、期限よりもかなり前に廃棄される。2/3過ぎたくらいで捨てるんだって。また、賞味期限が日付で書いてあると、製造や流通の関係で1日追い越して納品されたことに気づくと返品してきたりするらしい。それで期限が長いものは月までの表示にするとか、そういう工夫があったらしい。それで、著者はフードバンクっていう、廃棄される食品を引き取って必要な人に配るという活動をしている。

「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか (丹 道夫)

誰もが知る「富士そば」の創業者が半生と経営哲学と演歌を語る。

今の会社の最寄駅にも2軒ほどありまして、カツ丼が特に旨いので時たま食べに行っております。もう少し歩くと安いカツ丼屋さんがあったりもするし、新潟系のソースカツ丼と「へぎそば」を食える店があったりもしますが、それでも安くて、勝るとも劣らない出来の富士そばは偉大だと感じている。入りやすいしね。カツ丼オススメですが、今度天ぷらも食うかな、という気になった。

ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか? (高野 誠鮮)

田舎の山奥の段々畑(棚田)、限界集落と化した地区を再生させようと奮闘した役人の話。意地悪く読もうとする自分と素直に感心しようとする自分がいた。

例えば、限界集落で子供が消え、保育施設もなくなった。そこに30代の夫婦が入ってきて、何年かぶりにその地区で子供を産んだ。地域のみんなで関心を持って協力する。まあこれ美談なんだけど、子供は子供が好きなんで、まわりが大人だけってのは私にはちょっと抵抗が…。それにこの地域には小学校とかもないんじゃないか、と思ってしまうのだ。このあと小学校進んだらどうするんだろう。隣町まで通うのか…そもそも隣町にも子供はいるのか…隣町って何キロ離れてるんだよ、みたいなね。私も小学校は田舎(と言っても田舎の中では都会なほう)で、家からはかなり離れていたという記憶がある。いまGoogle Mapで測定したら、直線距離で2km。小学校低学年の足だと1時間くらいかかるかな。大人でも毎日徒歩30分の距離は遠いと感じるところ。今なら走れば10分もかからないか。この話のように山奥だとアップダウンもあるし、距離ももっとありそうな…。足腰は鍛えられそうで、自分はもともと足腰強めだったから苦にはならなかったが。

人間の顔は食べづらい (白井 智之)

タイトルのインパクトを導いた設定で押し切ったSF推理小説、と思いきや、ちゃんとまともな推理小説として成立しているところが秀逸。まあ登場人物がみんな探偵気取りで、誰が本当の探偵役なのかという話ですね。ライトノベルの系統か、角川っぽい書き方ではある。

けっこう楽しめたが、ちょっとこの設定がやっぱ受け付けないんだよね。もっと文字数を使って重厚な感じにしても良かったと思う。